どんな病気か・原因は何か



 大きい心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそん)があり、右心室の出口(漏斗部(ろうとぶ))が狭い病気です(図16)。チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)性心臓病(せいしんぞうびょう)の代表であり、乳児期から幼児期に特有のチアノーゼ発作を起こして治療が必要になります。
 原因として、約10%で染色体異常(CATCH22)に合併して生じます。

症状の現れ方

 本症でのチアノーゼ出現の時期はさまざまで、3分の1は生後1カ月以内に、3分の1は生後1カ月ないし1年に、残りは生後1年以後に現れます。乳児期には泣いた時や運動時にだけみられるチアノーゼが、のちには常時認められるようになります。
 本症の約30%には、特有のチアノーゼ発作(スペル発作:唇などが黒くなり、一時的に意識を失う発作)が3カ月〜3歳で生じます。チアノーゼが出現して6カ月以上たつと手足の指先が丸く変形し、これは太鼓バチ指と呼ばれます。
 1歳過ぎに歩行を始めると、走ったり歩いたりして息が切れるとしゃがみ、いわゆる相撲の蹲踞(そんきょ)(つま先立ちで深く腰をおろし、上体を正した姿勢)の姿勢をとります。

検査と診断

 診断の確定には心臓超音波(心エコー)や心臓カテーテル、心血管造影検査(精密検査)が必要です。その他のチアノーゼ性心疾患(完全大血管転位症(かんぜんだいけっかんてんいしょう)、両大血管右室起始症(りょうだいけっかんうしつきししょう)、単心室(たんしんしつ)、肺動脈閉鎖症(はいどうみゃくへいさしょう)など)との区別が重要で、手術の方法に影響します。

治療の方法

 乳幼児期には、チアノーゼ発作に対する予防と治療が必要です。家庭でのチアノーゼ発作に対する処置は、第一に抱き上げて蹲踞(そんきょ)の姿勢をとらせること、第二に家庭用の酸素吸入装置を用いて酸素吸入をすることです。発作が20分以上続く場合は、病院(循環器小児科)での治療が必要です。
 チアノーゼ発作が薬物でおさまらない場合は、乳児期早期に開胸してシャント手術を行います。通常は1歳前後、体重8〜10kgで人工心肺を使用して根治手術を受けます。手術の危険率は2〜5%ですが、肺動脈の形態や合併する奇形によって危険率は変わります。
 根治手術が成功すれば、チアノーゼの消失、右心室圧の低下が得られ、自覚症状もほとんどありませんが、運動負荷試験では軽度の心機能の低下が認められます。