どんな病気か・原因は何か

 新生児期に高度のチアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)で発症する代表的な病気です。近年、外科治療成績が著しく進歩したので、早期診断、早期治療が極めて重要です。原因は不明ですが、ファロー四徴症(しちょうしょう)と異なり染色体異常を合併することはまれです。


 心房と心室は正常につながりますが、大動脈が右心室から、肺動脈が左心室から始まるという正常とは逆のパターンになります(図20)。
 治療を何もしない場合は、生まれてから1カ月以内に50%が死亡し、6カ月までに85%が死亡するといわれています。しかし、現在では適切な治療をすれば約80%以上が長期生存します。
 新生児期早期の専門的な治療戦略が必要となるので、疑われた場合はただちに専門病院を受診する必要があります。

症状の現れ方

 症状としては、新生児期の高度のチアノーゼが持続します。しかし、このチアノーゼは酸素吸入をしてもなくなりません。
 患児は通常よく太った新生児であり、肺疾患の場合と異なり、明らかなチアノーゼがあっても末期に至るまで呼吸困難はありません。

検査と診断・治療の方法

 確定診断は心臓超音波(心エコー)、心臓カテーテル検査で行いますが、その後に緊急手術になる場合もしばしばあります。チアノーゼが高度の場合には、カテーテルによる風船治療(心房中隔裂開術(しんぼうちゅうかくれつかいじゅつ))を必要とします。
 肺動脈狭窄(きょうさく)を合併する例では乳児期にシャント手術を行い、2〜3歳でラステリ手術を行います。そのほかでは、新生児期または乳児期早期にジャテン手術(動脈スイッチ手術)を行います。左心室の圧が低くて血圧を支えられない場合は、セニング手術(心房内血流転換術(しんぼうないけつりゅうてんかんじゅつ))を行います。
 手術後は通常の生活が可能になりますが、長期に経過するとさまざまな続発症が現れるため、患者さんの約2〜3割は再手術が必要になります。