徐脈頻脈症候群とはどんな病気か



 洞不全(どうふぜん)症候群のひとつのタイプです。洞結節(どうけっせつ)(右心房(うしんぼう)の壁と上大静脈の境にある三日月状のもの)の機能低下に加え、さまざまな発作性上室性頻脈(ほっさせいじょうしつせいひんみゃく)(心房あるいは房室の接合部を含む頻脈)が合併し、その頻脈が停止したのちに高度の洞停止が生じます(図23‐F)。

原因は何か

 合併する上室性頻脈の90%以上を心房細動が占めます。洞不全症候群では心房自体の病的変化もあるため、心房性頻脈が発生しやすくなります。その他の頻脈としては、心房粗動(しんぼうそどう)、発作性上室性頻拍があります。いずれにしろ、心房が速く興奮して、その刺激が洞結節に進入することで、洞結節の自発的興奮を一時的に強く抑えてしまうため、頻脈が停止したのちに洞停止が続いてしまいます。

症状の現れ方

 典型的には、まず先行する動悸(どうき)が生じ、それが止まったと思ったら続いてめまいなどの脳の虚血(きょけつ)症状を自覚します。洞停止が長引けばアダムス・ストークス発作を起こし失神に至ります。

検査と診断

 ホルター心電図が有効です。心房細動などの頻脈性不整脈が先行し、それが停止した時に長い心停止が記録でき、その時に脳の乏血(ぼうけつ)症状があれば診断が確定されます。電気生理学的検査では合併した可能性のある上室性頻脈の誘発が可能で、その頻脈自体の重症度(脈拍数、持続性とその頻脈停止時の洞停止時間)の評価ができます。

治療の方法

 頻脈発生予防薬の投与により、洞停止時間が以前にも増して延長したり、一方、徐脈の治療のための脈拍を速くする薬剤の投与により、頻脈時の脈拍数が以前より増加する可能性があります。薬剤による治療はこのジレンマのためうまくいかないことが多いので、症状が強ければ徐脈治療のためにペースメーカーを植え込んだあとで、頻脈治療を行います。

徐脈頻脈症候群に気づいたらどうする

 不適切な診断、治療により症状が悪化する可能性があるので、適切な治療のためには循環器専門医の診察を受けてください。