バージャー病とはどんな病気か

 四肢(主として下肢)の末梢動脈の内膜の炎症により動脈の閉塞を来し、血流障害が生じる病気で、閉塞性血栓血管炎(へいそくせいけっせんけっかんえん)とも呼ばれます。最初の報告者の名前からバージャー病(英語読み)、あるいはビュルガー病(ドイツ語読み)とも呼ばれています。
 患者数は、国内で約1万人と推計されています。男女比は10対1と男性が多く、20〜40歳を中心に青・壮年に多く発症します。動脈硬化によって下肢の動脈が詰まる閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)も同じような症状を来しますが、閉塞性動脈硬化症は高齢者に多く、40歳以下の若年者にはほとんど発症しません。
 特定疾患であり、医療費は公費負担助成の対象です。

原因は何か

 原因は不明ですが、発症には喫煙が深く関係しています。患者の9割に喫煙歴が認められ、受動喫煙(周囲の喫煙者によって間接的に喫煙状態になること)を含めると、ほぼ全例が喫煙と関係があると考えられています。

症状の現れ方

 血流障害が軽度のときは、下肢の冷感やしびれが認められ、高度になるにしたがって間欠性跛行(かんけつせいはこう)(長い距離を歩くと足が痛くなり、ひと休みするとおさまって再び歩くことができる)や安静時の痛みが現れます。血流障害がさらに高度になると、難治性の潰瘍を生じ、壊死(えし)に至ります。
 また、手足の静脈にも炎症を起こし、静脈に沿って赤くはれたり、痛みが生じることがあります(遊走性静脈炎(ゆうそうせいじょうみゃくえん))。

検査と診断

 閉塞した部位より先の動脈の拍動が触れなくなります。足関節と上腕の血圧比の計測(足関節上腕血圧比)が、下肢虚血(きょけつ)の重症度の判定に役立ちます。確定診断には血管造影検査が必要になります。血液検査では特徴的な所見はありません。

治療の方法

 まずは禁煙を厳守することが大切です。そして手足はいつも清潔にして、寒い時期には保温に注意を払うことも大切です。履き物は足に合ったものを履くようにして靴ずれを起こさないように注意します。散歩などの適度な運動はおすすめです。
 薬物療法としては、血液の循環を改善して血栓を予防するために、血管拡張薬や抗血小板薬が用いられます。重症例に対しては、可能であればバイパス手術などの血行再建を行います。バイパス手術が適さない場合は、血管の拡張を目的に交感神経節ブロックが行われています。
 壊死が進行して各種の治療が無効な場合には、指趾の切断が必要になります。

病気の経過

 直接、生命に関係するような大切な臓器(心臓・脳・内臓など)の動脈を侵すことはありません。生命予後も同年代の健常人と変わりありませんが、指趾の切断を必要とすることもあり、生活の質(QOL)を脅かすことが少なくありません。
 早期の診断と適切な治療、禁煙の厳守により、病気の重症化を防ぐことができます。