閉塞性動脈硬化症とはどんな病気か

 動脈硬化が原因で、四肢(主に下肢)の血流障害を来すものを閉塞性動脈硬化症といいます。主に50〜60歳以降の男性に発症します。
 閉塞性動脈硬化症のある人は、下肢の動脈だけでなく、全身の血管にも動脈硬化を来している場合が少なくありません。冠動脈疾患の合併が3割の人で、脳血管障害の合併が2割の人で認められます。

原因は何か

 糖尿病高血圧脂質異常症、喫煙などの動脈硬化の危険因子をもっている人がかかりやすくなります。食生活やライフスタイルの欧米化により、動脈硬化を基盤とする閉塞性動脈硬化症が急速に増えています。

症状の現れ方

 初期の症状は、下肢の冷感やしびれです。進行すると、ある一定の距離を歩くとふくらはぎや太ももが重くなってきたり、痛みを感じるようになります。ひと休みするとおさまり、再び歩くことができます(間欠性跛行(かんけつせいはこう))。
 さらに、安静時にも痛みが現れるようになり、靴ずれなどがきっかけで足に潰瘍ができ、時には壊死(えし)に至ります。

検査と診断

 ふさがった部位より先の動脈の拍動が触れなくなります。四肢の血圧から足関節上腕血圧比を測ることにより、さらに詳しく下肢の虚血(きょけつ)を診断できます。確定診断にはCT、MRIや血管造影検査が必要になります。

治療の方法

 まずは、動脈硬化の危険因子である糖尿病高血圧脂質異常症の治療を行うことです。また、禁煙はとくに重要です。歩くことにより側副血行路(そくふくけっこうろ)が発達し血行が改善するため、足の症状が出るまでは、休みながらも繰り返し歩くように心がけます。
 寒冷刺激は足の血管をさらに収縮させ、血液の循環を悪くさせます。そのため、靴下、毛布などを使って保温に努めます。入浴も血行の改善に役立ちます。足はいつも清潔にしておきます。爪を切る際は深爪をしないようにし、靴も足先のきつくないものを選ぶようにします。
 初期の冷感やしびれに対しては、血管を拡げる薬(血管拡張薬)や血液を固まりにくくする薬(抗血小板薬)を用います。足の痛みが強い場合には、バイパス手術や狭くなった動脈に風船やステント付きのカテーテルを挿入してふくらませる治療を行います。さらに重症になり壊死が進行した場合は、足の切断が必要になることがあります。

閉塞性動脈硬化症に気づいたらどうする

 閉塞性動脈硬化症のある人は、下肢の動脈同様、心臓や脳の動脈も狭くなったり詰まっている可能性が大きく、全身の健康管理が必要になります。