リンパ浮腫とはどんな病気か

 リンパ管の圧迫や狭窄(きょうさく)のためにリンパ管の流れが悪くなると、リンパ管の内容物がリンパ管の外にしみ出し、むくみが現れます。とくに重要なのが蛋白質で、蛋白質がリンパ管からもれて組織内に蓄積されると、組織細胞の変性と線維化が起こり、その部分の皮膚が次第に硬くなっていきます。

原因は何か

 原因不明の一次性と、子宮がんや乳がんなどの術後に多くみられるリンパ管の圧迫や狭窄などが原因で起こる二次性があり、ほとんどが二次性です。

症状の現れ方

 若い女性に多く、最初は夕方になると足、かかと、手の甲のはれで気がつきます。痛みや色の変化はなく、翌朝になるとはれは消えます(可逆性リンパ浮腫)。症状が進むとむくみが消えてなくなったあとに、皮膚が線維化して硬くなってきます(非可逆性リンパ浮腫)。さらに進むと皮膚が硬く変形し、象皮症(ぞうひしょう)といわれる状態になります。
 一般にリンパ節ははれず、静脈が怒張することもありません。また、リンパ管炎や組織の炎症(蜂窩織炎(ほうかしきえん))を合併するとリンパ浮腫は悪化します。

検査と診断

 まず、手足の浮腫を認めた場合には、その原因となる低栄養、静脈不全、心不全、肥満などと区別する必要があります。次に、リンパ浮腫が疑われた場合には、アイソトープによるリンパ管造影が最も一般的で、リンパ管での取り込み不良、不均一性、リンパ節の活性低下などから診断します。
 二次性の原因である手術後や悪性腫瘍の検査のためにはCTも有効です。静脈性浮腫との区別には静脈造影が有効です。また、全身疾患(心不全腎不全、低蛋白、降圧薬、ホルモン薬、消炎鎮痛薬などの薬剤性)のチェックも必要です。

治療の方法

 患肢の挙上(高く上げておく)、マッサージ、軽い運動、温浴、日中のストッキング着用などで対処します。利尿薬は無効なことが多く、あまり使われません。
 皮膚が線維化し、蜂窩織炎を繰り返す例では、リンパ誘導手術、リンパ管静脈吻合(ふんごう)手術などを行う場合があります。

リンパ浮腫に気づいたらどうする

 皮膚の線維化前(可逆性リンパ浮腫)であれば治療効果は高いので、原因を見分けるためにも、浮腫がみられたら内科の受診をすすめます。