クラミジア・ニューモニエ肺炎とはどんな病気か

 クラミジア・ニューモニエは、飛沫感染によってヒトからヒトへ伝播(でんぱ)します。感染機会が多いにもかかわらず、そのほとんどが不顕性感染(感染していても症状が現れない)であり、顕性感染であっても感冒様症状にとどまることが少なくありません。このため、抗菌薬が投与されない場合が多く、小集団内でゆっくり蔓延することが大きな特徴とされています。
 流行は、家族内や保育園、学校などさまざまな施設で報告されていますが、レジオネラなどの集団感染とは異なり軽症が多いため、あまり社会的な問題とはなりません。しかし、高齢者入所施設での流行時には死亡例も報告されており、ハイリスク群への抗菌薬の選択には注意を要します。市中肺炎の原因微生物に関する国際的な検討では、5〜8%に関与することが確認されています。
 肺炎の重症度は軽症が多いとされ、自然治癒する症例もみられます。また、他の病原微生物との複合感染が多いことも特徴のひとつとしてあげられています。
 本菌では持続感染することがあり、呼吸器症状の持続や再発を起こすこと、さらに喘息や動脈硬化症の危険因子になると指摘されています。

症状の現れ方



 クラミジア・ニューモニエ肺炎は、小児から高齢者まで全年齢層に平均的にみられ、中・高年者にも多く発症することがマイコプラズマ肺炎と異なる点です(表2)。
 臨床症状は、咳嗽(がいそう)(咳(せき))が頑固で長引くことが特徴です。病初期には高熱を示すことが少なく、ここもマイコプラズマ肺炎と大きく異なる点です。

検査と診断



 検査成績では、白血球数が増加することはあまりありません(表2)。すなわち年齢を問わず、頑固に長引く咳を主症状として来院し、発熱が顕著でなく、白血球数が正常か軽度上昇している場合などでは本症が疑われます。また、家族内や施設内での流行も報告されており、かぜ症候群の流行時には、本菌も原因菌のひとつとして考えます。

どのように診断するか

 オウム病同様、培養法や遺伝子診断法は一般的ではなく、血清中の抗体を検出する血清診断に依存しているのが現状です。

治療の方法

 抗菌薬への反応は良好ですが、なかには臨床症状や胸部X線写真で肺炎陰影が改善したにもかかわらず、除菌されていない場合があることが明らかとなっています。近年、このような慢性・持続感染が呼吸器症状の持続や再発を起こすこと、さらに動脈硬化症の危険因子になるとも指摘されており、マクロライド薬やニューキノロン薬による長期療法が試みられています。

クラミジア・ニューモニエ肺炎に気づいたらどうする

 家族内や小集団内で発生することから、家族の一員や学校の同級生がこの病気と診断され、咳が長期間続く場合には呼吸器内科を受診してください。また、世間一般に広く使用されているペニシリン系やセフェム系抗菌薬が効かない場合にも医師に相談してください。