クラミジア・トラコマチス肺炎<呼吸器の病気>の症状の現れ方

 通常、3〜16週に鼻汁(びじゅう)や軽度の咳で発症し、多くの場合は無熱性で遷延性(せんえんせい)の経過をたどります。多呼吸を伴い、嘔吐やチアノーゼを伴う百日咳のようなけいれん性の咳が出現することもありますが、喘鳴(ぜんめい)(ゼーゼー、ヒューヒューといった音がする呼吸)を伴うことは多くなく、一般に全身状態は良好です。

クラミジア・トラコマチス肺炎<呼吸器の病気>の診断と治療の方法

 治療に際して重要なことは、抗菌薬が細胞内に十分に移行することです。ペニシリン系やセフェム系などのβ(ベータ)‐ラクタム系薬は細胞内移行が極めて低く、その標的とする細胞壁をクラミジアは有さないため、抗クラミジア活性をまったく示しません(表3)。同様にアミノグリコシド系薬も細胞内移行が低く、抗クラミジア活性を有しません。
 細胞内移行が良好かつ強いクラミジア増殖抑制を示す薬剤には、テトラサイクリン系薬、マクロライド系薬、ニューキノロン系薬(レスピラトリー・キノロン)およびケトライド系薬などがあります(表3)。各種薬剤の最小発育阻止濃度(MIC)は、クラミジア種間で差はみられず、現在までクラミジア・トラコマチスを除いて野生株の耐性化の報告はありません。
 適正な抗菌薬を使用した場合、臨床症状や胸部浸潤陰影の改善は速やかで、多くは投与開始後約1週間で治癒します。性行為感染症は、感染部位にかかわらずピンポン感染(うつしたり、うつされたりを繰り返すこと)が起こるため、パートナーの受診、治療が不可欠です。