はいあすぺるぎるすしょう肺アスペルギルス症の症状や原因・診断と治療方法

肺アスペルギルス症とはどんな病気か

 アスペルギルスは糸状真菌(しじょうしんきん)の一種で、多くは自然界に広く分布しています。肺アスペルギルス症はその病態によって、肺アスペルギローマ、慢性壊死性(えしせい)肺アスペルギルス症(CNPA)や侵襲性肺(しんしゅうせいはい)アスペルギルス症(IPA)に区別されています。
 肺アスペルギローマは、陳旧性(ちんきゅうせい)(以前からあって今は活動していない)肺結核や肺嚢胞(はいのうほう)などの肺の古い空洞性病変に、吸入されたアスペルギルス属の胞子が空洞内で増殖し、典型的には菌球を形成します。
 CNPAは、肺アスペルギローマと侵襲性肺アスペルギルス症の中間に位置する病態で、何らかの全身性の基礎疾患を有し、数週間〜数カ月の臨床経過で増悪する病態と考えられています。
 IPAは血液悪性腫瘍患者の抗がん化学療法に伴う好中球減少時、臓器移植患者の免疫抑制薬投与時や、膠原病(こうげんびょう)患者の大量長期の副腎皮質ステロイド薬投与時などに発症する急性呼吸器感染症です。アスペルギルス属の菌糸が血管内に侵入し、時に他の諸臓器のいろいろなところに病変を形成します。

症状の現れ方

 肺アスペルギローマでは、咳、喀痰(かくたん)、胸痛、呼吸困難などの一般的な呼吸器症状が現れます。血痰(けったん)や喀血(かっけつ)の頻度は他の呼吸器感染症よりも多いのですが、無症状のまま胸部X線異常で発見されることが最も多くなっています。
 IPAは、突然の発熱が起こり、その後に喀痰、咳、呼吸困難などの症状が現れます。病変が胸膜に接して存在することが多いため、胸痛を伴うこともあり、また血痰や喀血が起こることもあります。

検査と診断

 図15図16に検査と診断のフローチャートを示しました。
 肺アスペルギローマでは、胸部X線写真で典型的な菌球を認めれば、診断は比較的容易です。また、血清診断としてアスペルギルス抗体を測定します。ガラクトマンナン抗原も約30〜40%の症例で陽性となります。
 一方、IPAは診断が困難ですが、ガラクトマンナン抗原やβ(ベータ)‐Dグルカンの上昇する症例が多くみられます。
 診断は、喀痰や病巣からアスペルギルスを分離・同定するか、組織内にアスペルギルス菌糸の浸潤を病理学的に証明することで確定します。

治療の方法

 アスペルギローマは外科的切除が原則的で、経験的治療(客観的なデータではなく過去の経験に基づいた治療)は一般に行いません(図15)。CNPAとIPAはボリコナゾール(ブイフェンド)が第一選択薬です(図16)。

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