脳梗塞<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 脳梗塞の典型的な症状には、意識障害、片麻痺(かたまひ)(片方の手足の麻痺。時には片側の手あるいは足だけ動かなくなる単麻痺もある。両方の手足が全部動かなくなった状態は四肢麻痺(ししまひ)と呼ぶ)、片側の手足や顔面の感覚障害、言語障害、失語症(しつごしょう)(考えても言葉が出てこなかったり、相手の言うことが聞こえても理解できない状態)などがあります。
 ほかにも健忘症(けんぼうしょう)、同名性半盲(どうめいせいはんもう)(両眼とも視野の半分だけが見えなくなる状態)、複視(物が二重に見える)、ふらつき、嚥下(えんげ)障害などだけのこともあります。

脳梗塞<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 発症したばかりの脳梗塞の治療は、内科的な薬物療法が主体になります。脳外科の手術が超急性期に有効なのは、小脳という部分の大きな梗塞や、大脳全体が梗塞のためぱんぱんにふくれ上がって、生命の危険がある時だけです。
 治療薬には脳のむくみをとる薬(抗脳浮腫薬(こうのうふしゅやく))、血栓を溶かす薬(t‐PA、コラム)、抗血小板薬(こうけつしょうばんやく)や抗血栓薬(できた血栓がさらに心臓側に向かって延びてくるのを防いだり、再発を防ぐ薬)、脳保護薬(フリーラジカルなどの有害物質を除去する薬)などがありますが、これらの使い方は専門の医師にまかせておけばよいでしょう。
 今は、設備の整った専門病院にかなり早期に入院した患者さんでは、脳梗塞発作そのもので亡くなる人は10%以下になりました。発作を起こした人のだいたい45%くらいが完全に社会復帰しています。残りの人は残念ながら寝たきりになったり車椅子の生活を余儀なくされたり、何らかの後遺症で悩むことになります。
 しかし昔は脳卒中は3分の1の人が亡くなり、3分の1の人が重い後遺症で悩まされるといわれていましたから、それに比べればかなりよくなっているといえます。ただし亡くならなくても発症後1年以内に10人に1人弱の人が再発を起こしています。再発すると後遺症をもっと強く残したり、寝たきり、認知症などの原因にもなります。
 再発の予防には危険因子をあらためて十分治療することと、抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、シロスタゾールなど)を毎日服用することが基本になります。なお、心原性脳塞栓症の再発予防には、抗血小板薬よりも抗凝固薬(こうぎょうこやく)(ワルファリン)などをすすめます。そのため、脳梗塞の細かい病型までをしっかりと診断することが必要なのです。