未破裂脳動脈瘤とはどんな病気か

 脳ドックなどでMRA(磁気共鳴(じききょうめい)血管撮影)を行った時に発見される病気です。自覚症状はまったくなく、診察をしても異常がないのが普通です。なかには眼の動きが悪くなって調べたら、未破裂脳動脈瘤であったという場合もあります。小さい脳動脈瘤を含めると、100人に2〜3人はいるといわれています。

原因は何か

 脳の動脈の一部が内側からの圧力に耐えかねて、こぶのようにふくらんで起こります。脳の血管の先天的な弱さに、高血圧や血流の影響が加わって起こると考えられています。内頸(ないけい)動脈、脳底(のうてい)動脈、中大脳動脈、後大脳動脈など、あるいはそれらの動脈の分枝に起こります。

症状の現れ方



 普通はまったく症状がなく、たまたま検査で見つかります(図12)。動眼(どうがん)神経の近くの内頸動脈に起こると、動眼神経を圧迫して、片側の眼が外方以外には動かなくなり、瞳孔が大きくなり、対光反射がなく、まぶたが下がってくる眼瞼下垂(がんけんかすい)などの動眼神経麻痺の症状が起こることがあります。

検査と診断

 MRAなどで未破裂脳動脈瘤が疑われたら、三次元造影CT血管撮影で確認します。さらに脳血管撮影で動脈瘤の部位、形状を診断します。
 未破裂脳動脈瘤が自然に破裂してくも膜下出血を起こす確率は、大きさ、形などでも違いますが、平均して年に1%程度といわれています。たとえば62歳の男性に見つかった場合、平均余命が20年あるとすると、生涯でくも膜下出血を起こす可能性は20%ということです。

治療の方法

 日本脳ドック学会のガイドライン(2008)では、(1)余命が10〜15年以上ある、(2)動脈瘤の大きさが5〜7mm以上、(3)動脈瘤の大きさが5〜7mmより小さい場合でも、症状のあるものや特定の部位にあるもの、一定の形態的特徴をもつもの、という条件がそろえば、手術をすすめています。
 頭蓋骨を切開し動脈瘤に直接アプローチする方法が通常ですが、血管内手術を行う場合もあります。また、治療をせずに半年後、1年後などにMRAで経過をみるというのもひとつの方法です。手術の危険性と、放置した場合のくも膜下出血発症の危険性を脳神経外科医と相談して、方針を決めることになります。

未破裂脳動脈瘤に気づいたらどうする

 信頼できる脳神経外科医と相談してください。医師の説明が納得できない場合には、診療情報提供書を書いてもらい、セカンドオピニオン(他の専門医の意見を聞くこと)のために他の専門医に診察してもらうこともできます。その場合に、検査データ資料(検査画像も含む)を借りて持参します。同じ検査をするのはむだなことです。

関連項目

 くも膜下出血