単純ヘルペス脳炎<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 急性期には、発熱、髄膜刺激症状、意識障害、けいれん発作が必ず起きる症状とされています。幻覚、記憶障害、失語症(しつごしょう)などの言語障害も現れます。初期には、錯乱、せん妄(もう)状態が少なくなく、幻視、異常行動もみられます。死亡率は20〜30%とされており、とくに昏睡(こんすい)に至る深い意識障害、けいれんの頻発、脳圧亢進を認める症例の予後は極めて不良とされています。他方、意識障害が比較的軽く、精神症状を主とする軽症例もみられます。回復期にかけては健忘症候群、人格変化、症候性てんかんなどが現れ、後遺症として問題になります。

単純ヘルペス脳炎<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 一般療法として気道の確保、栄養の維持などが重要で、体温、脈拍、血圧、呼吸などのバイタルサイン(生命徴候)の監視も必要です。意識障害の強い急性期には絶食とし、1日1500ml前後の輸液が行われます。二次感染を予防する意味でペニシリン系、セフェム系抗生剤を投与します。抗ウイルス薬(アシクロビル)が第一選択薬とされており、アシクロビル10mgkgを1日3回、1時間以上かけて点滴静注し、14日間続けます。副腎皮質ステロイド薬の併用の有用性も報告されています。遷延した症例などには、ビダラビンが使われます。
 けいれん発作、重積にはジアゼパム、フェノバルビタール、ヒダントインの静脈注射、筋肉注射を、けいれん重積には呼吸管理下でのバルビツール酸系の大量(2〜3g)の持続点滴注入を行います。脳圧降下薬(グリセロール、マンニトール)の使用も一般的です。