筋疾患(ミオパチー)とはどんな病気か

 ミオパチーとは筋肉病という意味です。筋の力がない、やせてくるなどの症状があって、神経が障害されていなければミオパチーと考えます。たくさんの疾患が含まれていて、代表的なものは筋ジストロフィーですが、これについてはあとで説明しますので、ここではその他のミオパチーについて説明します。

●内分泌性(ないぶんぴつせい)ミオパチー
 内分泌臓器の異常により発生する筋肉障害です。
 高アルドステロン症では、血液中のカリウム濃度が低下することにより筋肉が破壊されます。甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)(バセドウ病)では、まれに重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)を併発したり、低カリウム血性周期性四肢麻痺(しゅうきせいししまひ)を伴うこともあります。逆に、甲状腺機能低下症では筋痛と筋力低下がみられ、ホフマン症候群と呼ばれています。
 原因疾患を治療することによって、治ります。

筋強直症候群(きんきょうちょくしょうこうぐん)(ミオトニー症候群(しょうこうぐん))

筋疾患(ミオパチー)とはどんな病気か

 ミオトニーとは、筋肉収縮後に自分で筋肉を弛緩(しかん)できない状態を指します。ミオトニーを主症状とする疾患群を筋強直症候群(ミオトニー症候群)といいます。そのうち、常染色体優性遺伝型(じょうせんしょくたいゆうせいいでんがた)がトムゼン病で、劣性遺伝型(れっせいいでんがた)がベッカー病です。
 ミオトニーのほかに、寒冷時に脱力がみられる疾患はパラミオトニーと呼ばれ、高カリウム血性周期性四肢麻痺と同じ病気です。ほかに小児期から発症するシュワルツ・ジャンペル症候群が知られています。

原因と症状

 トムゼン病とベッカー病は、ともに第7番染色体にあるクロライドチャンネル遺伝子の異常で発症します。ミオトニー現象が著しいために筋肉は発達し、ヘラクレスのような体型になります。中年以降になると多少、筋力が低下します。筋力低下は、ベッカー病のほうが強いといわれています。
 パラミオトニーは、第17番染色体にあるナトリウムチャンネル遺伝子の異常です。

治療の方法

 ジフェニルヒダントインやプロカインアミドが投与されますが、効果はあまりありません。

●薬剤性(やくざいせい)ミオパチー
 薬剤によって起こるミオパチーです。筋肉を障害しやすい薬剤として、コレステロール降下薬が有名です。

●悪性過高熱(あくせいかこうねつ)
 全身麻酔をした時に体温が42℃にまでも上昇し、筋肉が硬直した状態となります。死亡率が高く、麻酔医や外科系医師には恐れられている病気です。リアノジン受容体遺伝子の異常が原因です。
 カルシウムイオンは通常筋小胞体に蓄積されていますが、ここから放出されることで筋収縮の引き金となり、カルシウムイオンが筋小胞体に再吸収されると筋が弛緩します。悪性過高熱ではこの再吸収が起こらず、筋が収縮し続けてしまいます。対処法として、ダントロレンの投与による予防が可能になりました。
 一方、向精神薬を投与すると高熱が続き、意識障害や筋硬直が起こることがあります。これは悪性症候群(あくせいしょうこうぐん)と呼ばれ、よく似てはいますが、悪性過高熱とは別の疾患です。