周期性四肢麻痺とはどんな病気か

 体細胞の内外では、電解質の濃度に差があります。内外の濃度差を調節するために、細胞膜にはさまざまなチャンネル(通路)が存在しています。周期性四肢麻痺はこれらのチャンネルの異常で起こる病気です。
 最近は遺伝子検索が発達して、低カリウム血性周期性四肢麻痺は第1番染色体にあるカルシウムチャンネルの遺伝子異常、高カリウム血性の場合は第17番染色体にあるナトリウムチャンネルの遺伝子異常であることが判明してきています。これらの病気は、チャンネロパチーと総称されるようになってきています。
 周期性四肢麻痺は従来、発作時の血清カリウム値により低カリウム血性、高カリウム血性、正カリウム血性と分類されてきました。一般に常染色体優性遺伝(じょうせんしょくたいゆうせいいでん)疾患です。
 東洋では、西欧に比べて患者さんの数が多いとされてきました。多くは、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)に伴った低カリウム血性周期性四肢麻痺だったのですが、最近では西欧と同様にまれな病気になってきています。

症状の現れ方

 急に脱力が発生します。筋痛があることもありますが、程度は軽症です。
 典型的な低カリウム血性の場合は、お祭りなどでたくさんご馳走を食べた翌朝に起き上がれなくなるというものです。発作のない間欠期には症状はありません。
 高カリウム血性は、パラミオトニーという病気と同じといわれています。これは、筋収縮後に自分の意志で筋肉を弛緩(しかん)できないというミオトニーの症状に加えて、寒冷にさらされると脱力を引き起こしますが、まれな病気です。

検査と診断

 発作時には、まず血清カリウムの値をチェックして分類します。発作誘発試験としては、低カリウム血性の場合は飽食試験やインスリンと糖液を点滴する方法、高カリウム血性ではカリウム液を投与する方法などがあります。しかし、試験で血清カリウムを上下させることは、心臓に対して悪影響を及ぼすので、最近ではあまり行われなくなっています。
 組織の一部を採取して調べる筋生検では、空胞や筋小胞体の異常増殖した構造物が筋肉内に認められるのが特徴です。
 遺伝子検査が確定診断となりますが、日本では専門家が少ないため、あまり行われていません。

治療の方法

 甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム血性周期性四肢麻痺では、甲状腺機能亢進症の治療が必要です。原因がない場合はアセタゾラミドの投与がすすめられます。低カリウム血性では、カリウム剤の投与やスピロノラクトンの投与なども行われます。
 生活面では、低カリウム血性の場合は炭水化物をとりすぎないように注意してください。