多発性硬化症<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 MSの病変は、中枢神経であればどこにでも起こりうるもので、起こる時期もさまざまで規則性がありません。また、困ったことに症状がいったん治っても、ほかの症状の再発を繰り返します。したがって、患者さんごとに症状や経過が多様です。なかでもよくみられる症状は、しびれ感や感覚低下、手足の脱力や歩行障害、しゃべりにくさや飲み込みにくさ、視力低下、物が二重に見える複視、排尿障害などです。
 これらの症状は、急性に現れることがほとんどです。病気の経過として、症状が改善したり悪化したりする、いわゆる再発と寛解を繰り返すタイプの患者さんが最も多く、次いでそれらの再発を幾度となく繰り返しながらだんだんと増悪(ぞうあく)していく病型が多いようです。なかには、最初から徐々に進行していくまれな型もあります。

多発性硬化症<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 症状の増悪期や再発時には、副腎皮質ステロイド薬を大量投与するパルス療法と安静が必要です。
 再発を予防したり、長期予後を改善させる目的では、インターフェロンβ(ベータ)を投与します。インターフェロンβの治療は有効ではありますが、1日おきの皮下注射あるいは毎週の筋肉注射を年余にわたって行わなくてはならないので、専門医との十分な相談が必要です。現在、内服薬をはじめとして、いくつかの再発予防の新薬が世界的に開発中です。