緊張型頭痛とはどんな病気か

 機能性頭痛のひとつで、日本でも約20〜30%の有病率といわれ、最も多く認められる頭痛です。以前は筋収縮性頭痛(きんしゅうしゅくせいずつう)といわれていましたが、筋肉の収縮を伴うタイプと伴わないタイプがあり、緊張型頭痛といわれるようになりました。
 首筋が張る、肩がこるなどの訴えとともに、頭痛は徐々に始まり、後頭部の鈍痛が多くみられます。患者さんによっては、痛みというよりも重い感じ、何かをかぶった感じと訴えることもあります。症状は片頭痛に比べて、長く続くのが特徴です。

原因は何か



 頭痛の誘因としては、国際頭痛学会の緊張型頭痛を引き起こす因子の表(表5)に示したように、ストレスや不安、うつなどさまざまな因子が関係します。多くの場合は睡眠不足が続いたり、あるいは心配事が頭から離れなかったりするとひどくなります。また、結婚、就職、転職など、生活環境の変化に伴って増悪することが多くみられます。

症状の現れ方

 緊張型頭痛は徐々に始まり、首筋が張る、肩がこるなどの訴えとともに、後頭部の鈍痛として認められることが多くみられます。痛みというよりも重い感じ、圧迫される感じ、締めつけられる感じ、また、何かをかぶった感じ(被帽感)と訴えることもあります。頭痛は1週間〜10日ほど続くことが多いのですが、時には1カ月のうち15日以上、ほとんど毎日頭痛が続くこともあります。

検査と診断

 片頭痛と同様に、機能性の頭痛ですので、器質的疾患を除外することが重要であり、必要に応じて脳の画像診断を行います。
 一般に、内科的・神経学的診察ではとくに異常を認めませんが、肩・項筋(こうきん)・後頭筋・側頭筋の硬結(しこり)、圧痛を確認することが診断の根拠になります。硬結と圧痛の間には一般に相関関係がありますが、時に硬いのに圧痛を訴えないこともあります。まれに、硬くなっていないのに圧痛を訴えることもあります。圧痛があれば現在筋肉痛があると考えられ、硬結は長い間の筋緊張の持続を示す所見と考えられます。

治療の方法

 頭痛時の治療の中心となる薬物治療では、まずは消炎鎮痛薬の使用がすすめられます。アスピリンでいえば欧米では650〜1000mg日の使用が多くみられますが、日本では330〜660mg日がすすめられます。一方、消炎鎮痛薬の慢性的使用によってかえって頭痛が誘発されること(薬物乱用頭痛・コラム)があるので、薬剤量については専門家に相談してください。
 予防的投薬としては抗うつ薬、とりわけ三環系抗うつ薬がすすめられますが、口腔内乾燥、眠気、なかでも腸管のぜん動運動の低下などの抗コリン作用の発生には注意をすべきです。また、消炎鎮痛薬との併用として、エチゾラム(デパス)などの抗不安薬、エペリゾン(ミオナール)やチザニジン(テルネリン)などの筋弛緩薬(きんしかんやく)もすすめられます。頭痛体操も有効なことが多いので、薬剤を漫然と投与せずに頭痛体操を試してみる価値があると考えられます。


 日本神経学会の頭痛治療のガイドラインによる緊張型頭痛治療薬のエビデンスサマリーを表6に示します。

緊張型頭痛に気づいたらどうする

 片頭痛と同様に、器質的疾患を除外しておけば、ひと安心です。実際に、緊張型頭痛で病院を受診される患者さんが、画像診断で異常がまったくないことを知っただけで、頭痛が軽くなることが時々みられます。薬局で消炎鎮痛薬を購入して服用している場合に、服用量が過剰になり、むしろ薬物乱用頭痛になってしまうことがあります。この場合はできるだけ早く専門医に相談することが大切です。