顔面けいれんとはどんな病気か

 顔面けいれんはまぶたや口角などの顔面の筋肉がぴくぴくとけいれんする病気です。ほとんどの場合は片側だけですが、まれに両側にみられることがあります。比較的女性に多く、発症は40〜50代が多いのですが、どの年齢層でも起こります。
 飲酒やストレス、不安などで悪化します。患者さんにより、持続的にけいれんがみられる場合と、普段は無症状ですが何らかの契機でけいれんが起こる場合とがあります。

原因は何か

 顔面けいれんが起こる原因として注目されているのは、脳に達する血管が、脳幹(のうかん)という脳の幹にあたる部分で顔面神経を圧迫することです。そのため、高血圧や糖尿、喫煙者などで動脈硬化になりやすい人は、顔面けいれんが起こりやすくなります。
 そのほかにも脳幹の腫瘍(しゅよう)がある場合、また明らかな原因が見つからないことなどがありえます。

検査と診断

 顔面けいれん症状と特徴的なけいれんから、診断は容易です。けいれんの原因を突き止めるためにMRIやCTなどの画像診断や、神経伝導検査、筋電図などの検査を行うことがあります。血管が脳幹を圧迫していることを最もはっきり確認できるのは血管造影と呼ばれる検査で、血管にカテーテルを入れて造影剤を流して血管の走行を調べます。
 しかし、血管造影は脳梗塞などの危険を伴うことがあるので、MRIと同時に、血管の走行が体を傷めずにわかるMRAという画像診断で診断されることもあります。

治療の方法

 内服治療として、抗コリン薬、抗てんかん薬などがありますが、効果は比較的弱く、短期間で再発することがあります。
 最近、ボツリヌス毒素をけいれんする筋に注射するボツリヌス療法が行われるようになりました。これは細菌兵器として使われることが危惧されているボツリヌス菌からの毒素と同じものですが、治療に使われる量は致死量よりはるかに少量なので、命に関わることはありません。ボツリヌス注射により、けいれんしている筋肉を弱めることがこの療法の目的です。ボツリヌス注射治療は外来でできますが、効果は約3カ月なので繰り返し注射してもらう必要があります。
 脳の血管が脳幹を圧迫している場合、手術が根本的な治療法になります。圧迫している血管と、圧迫を受けている脳幹の間にウレタン樹脂などのクッションを設けて圧迫を取ることが目的です。