脳腫瘍<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 脳腫瘍の一般的な症状は、早朝に強い頭痛があることです。くも膜下(まくか)出血などと異なり、突然強い頭痛に襲われることは多くありません。
 脳そのものは固い頭蓋骨で保護されており、この内部に脳腫瘍ができると頭蓋骨の内部で圧力が上がります。これを頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)症状と呼びます。
 頭蓋内圧亢進症状には、頭痛、吐き気、嘔吐、眼がぼやけるなどの症状があり、進行すると意識が低下する場合があります。小児では吐き気を伴わず、突然嘔吐する場合があります。また成人で、今までにてんかん発作がない人が初めててんかんを起こした場合は、脳腫瘍が強く疑われます。
 そのほか、徐々に進行する麻痺や感覚障害、言語の障害、視野が一部欠ける、性格の変化、乳汁分泌や不妊症などの内分泌障害などの症状があります。また、乳幼児では頭の大きさが大きくなる頭囲拡大がみられることがあります。

脳腫瘍<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 脳腫瘍治療の基本は手術による切除です。手術の目的は、病変を切除することと、切除した腫瘍を病理診断医にみてもらいその種類を決定することです。
 多くの原発性良性腫瘍は、手術により全部切除することが可能です。一方、原発性悪性脳腫瘍は周囲の神経に沿って発育していることが多いので、手術でその大部分を切除したあと放射線治療や抗がん薬を使った化学療法、免疫療法が行われます。
 近年、脳神経外科医が行う手術は、手術顕微鏡を使った手術(図31)に加え、内視鏡の使用、手術中にMRIやCT画像を見ながら手術を進行させる手術支援システムの使用(図32)、手術中にMRI撮影を行う方法(図33)、腫瘍細胞を発光させる方法、頭蓋骨をドリルで細かく切除する方法、脳の血管に他の場所から血管を移植する方法など、多くの技術革新があり、手術成績は向上しています。
 生検術やホルモン検査などで腫瘍の種類が特定された場合、手術療法よりも薬物療法や放射線治療が最初から選択されることもあります。