膠原病に伴う神経・筋障害とはどんな病気か

 膠原病とは、病理学的に全身の膠原線維(こうげんせんい)に特殊な変化(フィブリノイド変性)が認められる病気として名づけられましたが、病理学的変化は膠原線維だけでなく、全身の結合組織に及ぶことから、最近ではその近縁の疾患も広く含めて結合組織病とも呼ばれています。
 膠原病は多くの臓器に慢性炎症性病変を生じることが特徴で、神経系(中枢神経、末梢神経、筋肉)にもさまざまな病変が生じます。

それぞれの病気と症状

 血管の炎症を起こしやすく、とくに末梢神経に血管炎による障害が起こりやすい疾患として、結節性多発動脈炎(けっせつせいたはつどうみゃくえん)、アレルギー性肉芽腫性血管炎(にくげしゅせいけっかんえん)ウェゲナー肉芽腫などがあげられます。末梢神経に栄養を送る血管に炎症が起こることにより末梢神経障害(ニューロパチー)が生じ、四肢末端のしびれや筋力低下が起こります。
 全身性エリテマトーデス(SLE)は代表的な膠原病ですが、その活動期に高頻度で神経障害が起こります。末梢神経よりも中枢神経が侵されることが多く、幻覚、妄想、感情障害、せん妄(もう)てんかん発作、局所性神経徴候、脳卒中不随意(ふずいい)運動など多様な精神・神経症状が認められます。また抗リン脂質抗体という特種な抗体が陽性の場合は、脳卒中発作を起こしやすいとされています。
 そのほか、関節リウマチでは滑膜包(かつまくほう)の炎症による末梢神経への圧迫性神経障害、とくに手の正中神経への圧迫が起こり、手根管(しゅこんかん)症候群と呼ばれています。頸椎(けいつい)の環軸脱臼(かんじくだっきゅう)による脊髄(せきずい)障害も起こることがあり、歩行障害や感覚障害が起こります。
 シェーグレン症候群でも、感覚障害を中心とした末梢神経障害や、脳神経である三叉(さんさ)神経障害などが起こることがあります。また多発筋炎、皮膚筋炎などは筋肉の炎症性疾患であり、四肢近位部の筋脱力や萎縮(いしゅく)が起こります。