ウィルソン病<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 10〜20代のころから症状の出ることが多いです。
 肝硬変のほかに、頭部CT(図42)で示したように脳の深部にある大脳基底核(きていかく)のうち被殻(ひかく)と淡蒼球(たんそうきゅう)に障害が強いので、手を鳥のようにばたばたと羽ばたくような振戦(自分で動かそうとしなくても両手が大きく震えてしまう)が起こり、手首や足首に固縮がみられます。そのほか、口を半開きにした顔の表情や、よだれを流すこともあります。言葉は不明瞭で、ゆっくりした話し方になります。
 精神症状としては感情が変化しやすく不安定になったり、性格が変化して付き合いにくくなったり、学業成績の低下が起こります。進行すると姿勢の異常や認知症(にんちしょう)、小脳失調症(しょうのうしっちょうしょう)(バランスがとりにくい)などの神経障害が起こります。十数年の経過を経て、肝硬変のために死亡することもあります。

ウィルソン病<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 標準的な治療法としては、まず銅を多く含む食品を減らすことです。銅を多く含む食品には、カニ、エビ、貝類、クリ、乾しブドウ、ココア、チョコレートなどがあります。
 次にD‐ペニシラミン(メタルカプターゼ)を内服して、体内にたまった銅を排泄するようにします。D‐ペニシラミンには副作用として全身の皮膚に赤い発疹が出たり、胃腸症状や白血球の減少が起こることがあるので、医師の観察のもとに注意して薬を服用します。