アルコール性神経障害<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 「アルコール性末梢神経障害」は、手足の末梢にしびれ感、痛み、脱力、筋萎縮(きんいしゅく)を来します。「ウェルニッケ脳症」では、無欲状態になって、眼球運動障害(眼があまり動かなくなる)、眼振(がんしん)(眼球がリズミカルに動く)、失調性歩行(酔ったようにふらふら歩く)が起こります。
 「アルコール性小脳失調症」では、1カ月以上大量の飲酒をしていると、とくに両足のバランスがとれなくなり、フラフラして歩行が困難になります。
 アルコールをやめると手が震えたり、せん妄(もう)(意識の障害により、集中力の低下や、錯覚を起こす)状態になってしまうのは、禁断症状で「振戦(しんせん)せん妄」といいます。飲酒をやめてから1〜2日すると、体からアルコールが抜けて「けいれん発作」が起こることがあります。
 アルコールを多飲すると歩行が不安定になるので、頭部外傷も起こりやすくなります。
 以上のようにいろいろな病気がアルコールに関係して起こります。

アルコール性神経障害<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 飲酒をやめ、ビタミンB1、B6、B12を補給するとよいのですが、急性期はアルコール性の胃炎が起こっていて吸収が悪いので、とくにウェルニッケ脳症では、救急処置として、ビタミンB1を500mgくらい大量に7日間ほど注射で投与します。眼球運動障害や眼振は2日ほどでよくなります。その後は、経口的にビタミンB複合体を1カ月ほど投与すると、アルコール多飲と栄養障害のために体内で不足していたビタミンが補給されます。
 そしてバランスのよい食事をすすめます。精神的な不安をとるために、解決できる問題は医師に誠実に相談相手になってもらうことが大切です。アルコールを多飲する人のなかには、家庭や仕事のうえで問題をかかえている場合があるので、よく話を聞いて相談にのってあげる友人や医師が必要です。