多発性筋炎とはどんな病気か

 多発性筋炎は、骨格筋に原因不明の炎症が生じ、主として四肢近位筋(ししきんいきん)、頸部(けいぶ)、咽頭筋(いんとうきん)の対称性筋力低下と、それによる障害を起こす病気です。同時に皮膚症状を伴うと皮膚筋炎と呼ばれます。どちらも筋症状の特徴には差がないため、一括して多発性筋炎・皮膚筋炎と表して扱われることが多いです。
 多発性筋炎は、筋疾患と全身性自己免疫疾患の2つの側面があります。ほかの自己免疫疾患や悪性腫瘍を合併することが少なくありません。40〜60歳の女性に多く発症します。

原因は何か

 病因は不明です。筋肉を中心に自己免疫反応(何らかの原因で自分の筋肉に自己抗体を作り、自分の筋細胞を破壊する反応)が生じて発症するとの考えが有力です。

症状の現れ方

 初発症状として、数週から数カ月にわたって亜急性に進行する下肢近位筋(体の中心に近い筋肉)の筋力低下が多くみられ、歩行や階段昇降に困難を生じます。座位から立ち上がることが困難になってくることも少なくありません。
 上肢近位筋が侵されると高いところの物がとれなくなり、頸部(けいぶ)(首)の筋力低下では頭を枕から挙上できないなどの症状が出ます。咽頭筋の筋力低下により嚥下(えんげ)・構音(こうおん)障害もときにみられます。筋痛は約半数に認められる比較的特徴的な症状のひとつで、急性期に多くみられます。筋萎縮は最初ありませんが、慢性化すると出現します。
 さらに皮膚に何らかの症状(眼瞼(がんけん)部の浮腫を伴った紅斑(こうはん)、手指関節背側の紅斑など)が多くみられ、皮膚症状が主であれば皮膚筋炎の可能性が大きくなります。
 呼吸器病変として間質性肺炎(かんしつせいはいえん)や呼吸筋筋力低下による低換気を認めます。心筋炎から不整脈や心不全となり、重要な死因のひとつとなっています。

検査と診断

 血液検査では、骨格筋特異的酵素であるクレアチンキナーゼ、アルドラーゼや血清ミオグロビン値が上昇します。抗核抗体の検査では、本疾患に特異的な抗Jo‐1抗体について調べます。筋電図では筋原性変化をみます。筋生検では筋内膜や血管周囲に炎症性細胞浸潤を認めます。
 以上から、筋炎の存在と皮疹を検討して診断をします。鑑別診断としては進行性筋ジストロフィー症が重要です。

治療の方法

 治療の開始が早いほど治療効果が期待できます。薬物療法としては、ステロイド薬、免疫抑制薬、γ(ガンマ)‐グロブリン大量静注療法などがあります。
 急性期には安静と保温が必要です。回復期になれば軽いストレッチからリハビリテーションを開始し、慢性期には関節拘縮(こうしゅく)と廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)の予防と、過度の運動は避けるような日常生活指導をします。
 多くの場合で機能障害の改善がみられ、社会生活をあまり不自由なく送ることができるようになります。しかし、一部は長期間にわたり高度な機能障害が残り、徐々に進行します。

多発性筋炎に気づいたらどうする

 内科あるいは皮膚科を受診してください。