先天性ミオパチーとはどんな病気か

 生下時あるいは乳児期早期に発症し、発達・発育の遅れ、筋力低下や筋緊張低下を主症状とし、非進行性またはゆるやかに進行する骨格筋を侵す病気です。原因は遺伝子の異常です。
 ミオパチーとは筋肉を侵す病気の総称です。先天性ミオパチーは、すべて病理学的な特徴で分類されて、大半の病気では(1)乳児重症型、(2)良性先天型、(3)成人型の三型に分けられます。

症状の現れ方


(1)乳児重症型

 新生児期から顔面筋を含めた全身の筋力と筋緊張の低下が著明です。多くは呼吸・嚥下(えんげ)障害のため、人工呼吸器や経管栄養を必要とします。寝たきりで座位を獲得できることはまれで、ほとんどが1歳以下で死亡します。
(2)良性先天型
 最も多い型で、先天性ミオパチーの大半はこれに属します。乳児期の発達の遅れ、全身の筋力低下と筋緊張低下があり、いわゆるフロッピーインファント(ぐにゃぐにゃ乳児)と呼ばれます。
 セントラルコア病(後述)以外は顔面筋が侵され、細長く表情に乏しい特異な顔貌(がんぼう)をしています。また、呼吸筋とくに横隔膜が侵され、呼吸不全を来しやすくなります。心筋はまず侵されません。多くの場合は歩行開始などの運動発達は遅れますが、進行はせずに通常の日常生活が可能となります。知能発達は正常で、側弯(そくわん)を伴うことが少なくありません。
(3)成人型
 まれな型です。軽症の良性先天型が成人になって増悪したり、原因不明な場合があります。

分類

 筋生検での病理組織像(筋病理)からさまざまな特徴を有する筋疾患に分類され、代表的なものは以下のとおりです。
(1)ネマリンミオパチー
 最も多い病気で、筋病理でネマリン小体と呼ばれる糸くずのような構造体を認めます。呼吸不全に注意が必要です。
(2)セントラルコア病
 2番めに多い病気です。筋病理で筋組織の中心にコアを認めます。側弯に注意が必要です。
(3)乳児重症型ミオチュブラーミオパチー
 3番めに多い病気です。筋病理でperipheral haloと呼ばれる筋線維周辺部での低活性を認めます。出生時からほぼすべてに人工呼吸管理と経管栄養が必要です。
(4)先天性筋繊維タイプ不均等症
 筋病理では診断的構造異常はなく、呼吸筋が侵されやすいので呼吸不全に注意が必要です。
(5)中心核ミオパチー
 筋病理で中心核線維を認めます。外眼筋麻痺眼瞼下垂(がんけんかすい)が高率にみられます。予後良好です。

検査と診断

 確定診断には、筋生検が必要となります。乳児重症型の場合には、中枢性の障害、重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)などと、良性型の場合には、先天性筋ジストロフィー症との鑑別が重要となります。

治療の方法

 有効な治療法はなく、「ぐにゃぐにゃ乳児」では感染症と呼吸不全に注意します。

先天性ミオパチーに気づいたらどうする

 小児科、とくに小児神経を専門とする医療機関を受診してください。