進行性筋ジストロフィー症<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 乳児期には明らかな症状はみられず、歩き始める時期が大きく遅れることはありません。通常、3〜5歳ころに転びやすい、走れないなどの異常で気づきます。
 筋力低下は、四肢近位筋(大腿や上腕の体幹に近い筋肉)に多く、立ち上がる時に一度腹臥位(ふくがい)となり、床に手をついて臀部(でんぶ)を上げ、次に手を膝に当てて体をよじ登るように起立する「登はん性起立」がみられるようになります。足関節の拘縮(こうしゅく)のため尖足(せんそく)歩行(つま先歩き)になってきます。
 下腿のふくらはぎに仮性肥大がみられます。仮性肥大は筋肉ではなく、脂肪や結合織が増えて太くなります。
 多くは8〜10歳で歩行不能となりますが、四肢遠位筋(下腿や前腕の体幹から遠い筋肉)は筋力が比較的保たれます。筋萎縮は、体幹や四肢近位筋に著しくなってきます。
 思春期以降になると筋力低下が進行し、指先以外はほとんど動かなくなって日常生活に全介助が必要になります。咽喉頭筋の筋力低下で経管栄養や胃瘻(いろう)が、呼吸筋の筋力低下により人工呼吸器管理が必要になります。

進行性筋ジストロフィー症<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 根本的治療法として薬物療法、遺伝子治療、幹細胞移植治療などが研究されていますが、まだ実用化の段階ではありません。
 現時点では、適切なリハビリテーションと合併症の予防を行うことが大切です。症状の進行に合わせてリハビリテーションを行い、できる限り歩行を継続し、起立・坐位の安定と呼吸機能の維持を図り、環境整備を行ってQOLの向上を目指します。合併症の治療としては心不全、呼吸不全の管理が中心になります。
 人工呼吸器の普及により、呼吸不全で死亡する例が激減していますが、心不全で死亡する例が増加しているので、平均寿命は30歳と依然として短いのが現状です。