上腕骨内顆・外顆骨折とはどんな外傷か

 上腕骨内顆は肘の内側のくるぶし、外顆は外側のくるぶしの周辺です。上腕骨内顆や外顆の骨折は、肘のくるぶしの内側か外側の半分が欠けたような骨折です。
 小児の肘周辺骨折では外顆骨折が20%を占めます。幼稚園児と小学生に多く、男児に多くみられます。転倒して肘を伸ばした状態で手をついた時に、外力が肘まで伝わって骨折が発生します。
 内顆骨折は極めてまれで、外顆骨折を鏡に写したような骨折です。ここでは外顆骨折を主に説明しますが、内顆骨折もほぼ同様と考えてください。

見落としやすい外傷と合併損傷

 外顆骨片には手指を伸ばす筋肉や手のひらを上に向ける回外筋(かいがいきん)という筋肉が付着するため、受傷直後のX線写真ではずれがほとんどみられない場合でも、ギプス固定中に骨片のずれが進行することが多くみられます。
 ずれが放置されたまま外固定を続けても骨癒合は起こりません。成長につれて外反肘(がいはんちゅう)(腕を伸ばした時に異常に外側に曲がる変形)を生じ、運動制限と神経麻痺の原因になります。
 内顆骨折も内顆に手指を曲げる筋肉や手のひらを下に向ける回内筋(かいないきん)という筋肉が付着するため、同様のことが起こります。

症状の現れ方

 肘周辺のはれ、皮下出血、痛み、異常な動きなどがみられます。いずれの症状も上腕骨顆上骨折よりも軽症です。これは、上腕骨外顆という外側のくるぶしが部分的に骨折しているからです。

検査と診断

 骨折型を確定するためにX線写真が必要です。骨折型により治療法が変わるので、正確な骨折型の診断が必要です。

治療の方法

 骨折型により治療法が変わります。
 ワッズワース分類の1型は転位(ずれ)がみられないので、そのままギプス固定を行います。
 2型は側方に転位し、3型はさらに回旋転位しており、いずれも手術が必要になります。骨片を、筋肉を付けたまま元の位置に整復して、数本の金属鋼線で固定します。
 手術後はギプス固定を行います。固定期間は低年齢時ほど短く、乳幼児では2〜3週、幼稚園児では3〜4週、小学生以上では4週以上必要です。

応急処置はどうするか

 上腕から手まで、肘を90度にして副木固定を行います。厚めの段ボール紙で代用できます。

関連項目

 骨・関節の外傷総論、肘部管症候群