橈骨頭・頸部骨折とはどんな外傷か

 小児の肘周辺骨折の6%を占めます。転倒して肘を伸ばした状態で手をついた時に、肘が外側に曲がる外反力が肘まで伝わって発生します。成人では橈骨頭骨折が多く、小児では橈骨頸部骨折が多く起こります。

見落としやすい外傷と合併損傷

 橈骨頭骨端核(こつたんかく)の出現していない4〜5歳以下では、骨折が見落とされることがあります。上腕骨内上顆(じょうわんこつないじょうか)骨折や肘頭(ちゅうとう)骨折、内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)損傷、肘関節脱臼などを合併し、これらの骨端核が出現する前では合併損傷も見落とされることがあります。

症状の現れ方

 肘周辺のはれ、皮下出血、痛み、異常な動きなどがみられます。いずれの症状も上腕骨顆上(じょうわんこつかじょう)骨折よりも軽症です。これは、前腕の2本の骨のうち橈骨頸部という外側の一部分が骨折しているだけで、腕尺(わんしゃく)関節という肘の主たる部分が骨折していないからです。

検査と診断

 部位を特定し、骨折型を確定するためにX線写真が必要です。橈骨頭骨端核の出現していない4〜5歳以下や、ほかの合併症が疑われる場合は、関節のなかに造影剤を注射して軟骨部分の状態を調べる関節造影が必要になります。

治療の方法

 骨折型により治療法が変わります。
 オブライエン分類の1型は転位(ずれ)の傾斜が30度未満なので、そのまま外固定を行います。2型は30〜60度の転位で、X線で透視しながら徒手整復を行います。3型は60度以上の転位で、手術が必要になることが多くなります。数本の金属鋼線で固定します。
 手術後はギプス固定を行います。固定期間は低年齢時ほど短く、乳幼児では2〜3週、幼稚園児では3〜4週、小学生以上では4週以上必要です。

応急処置はどうするか

 上腕から手まで、肘を90度にして副木固定を行います。厚めの段ボール紙で代用できます。

関連項目

 骨・関節の外傷総論