橈骨遠位部骨折とはどんな外傷か



 高齢者が転倒して手をついた時に起こる手首の骨折です。頻度の高い骨折で「コーレス骨折」とも呼ばれます。肘と手首の間には2本の骨があり、親指側の太いほうの骨(橈骨)の手首に近い部分の骨折で(図12)、細いほうの骨(尺骨)の一部も骨折を伴うことがあります。

合併症はどんなものか

 骨折部の近くに神経が走っているため、指先がしびれることがあります。

症状の現れ方

 受傷直後から手首付近のはれと痛みが出現し、動かせません。また、手首付近が手の甲のほうに盛り上がった変形がみられることもあります。

検査と診断

 手首のX線写真をとります。変形の程度を確認するため3〜4枚必要なことがあります。手首の関節まで骨折が及んでいる場合には、より詳細な診断が必要でCT撮影を行います。

治療の方法

 この骨折の多くは外来で治療します。ギプスを手から腕まで巻いて、4〜5週間固定すると骨はつきます。もし骨折部の変形が強ければ、手を引っ張って変形を矯正します(徒手矯正(としゅきょうせい))。骨折部をギプスで固定すると指の関節が硬くなるので、ギプス固定をしている時期から手指をよく動かすことが大切です。
 定期的にX線検査をして、骨折部のずれに変化がないか確認します。ギプスを除去したあと一時的に手首の関節が硬くなるので、リハビリテーションをすることもあります。
 骨折部のずれが大きくて徒手矯正しても、元にもどらなかったり、もどっても不安定な場合には、手術をして骨折部を固定します。また、骨折が手首の関節面に到達してずれている場合にも手術が必要となります。
 どの治療をしても、一度手指の関節が硬くなると回復するまでに時間がかかるので、治療中から積極的に指の運動をして予防することが大切です。

応急処置はどうするか



 手首に板をあてて固定すると痛みは楽になります。また氷水などで患部を冷やすと痛みは楽になります(図13)。すぐに整形外科を受診してください。