大腿骨頸部・近位部骨折<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 高齢者が転倒して立ち上がれなくなった時には、まず、この骨折が考えられます。骨折した足は短くなり、外側に開いたような形をとります。自分で足を動かすことはできず、他人が動かすと強く痛がります。外側骨折では関節外の骨折であることより、臀部の外側中心に、出血やはれが徐々に出現してきます。
 しかし、時には骨折が軽度で、骨折した部分がお互いに噛み合って安定した形となり、歩行ができる人もいます。

大腿骨頸部・近位部骨折<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 この骨折に保存的治療(手術以外の治療)を行うと、長時間の臥床を強いることになり、高齢者ではいろいろな合併症を引き起こします。そのため、原則として手術を行い、早くから歩くリハビリ訓練を指導します。しかし、全身状態が悪く手術が無理な時や脆弱性骨折などでは、体重をかけずに安静にして治療することもあります。
 手術の方法として、内側骨折ではずれがわずかであれば、元に戻してネジ数本で固定します(図19)。しかし、ずれがひどい時には骨折した部分を取り除き、金属製の人工の骨頭に入れ替えます(図20)。
 外側骨折では、ずれをもどしてプレートとネジや骨髄内に太い釘を入れてネジで補強する方法で骨接合を行います(図21)。