下腿骨骨幹部骨折<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 直後から痛みがあり、歩けません。骨折のずれが大きいと下腿が曲って変形します。開放骨折では骨折端が皮膚を突き破り、皮膚に小さな傷がみられます。
 また、この部位はコンパートメント症候群の発生が多いところです。これは、骨折により下腿筋肉群の閉ざされた区間(コンパートメント)が出血やはれで内圧が高まり、増強する疼痛と強い腫張(しゅちょう)(はれ)や圧痛(押すと痛むこと)がみられるものです。放置すると筋肉の壊死(えし)を起こすことがあるので、早期の筋膜切開が必要となります。

下腿骨骨幹部骨折<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 この骨折は若い人に好発することから、機能回復と早期の社会復帰を目指して治療法を選択しなければなりません。かつては保存的治療が行われてきましたが、新しい固定器具の開発によって手術的治療が主流となっています。ただし、骨の成長線が残っている小児では、多少のずれは許容範囲とされることもあり、多くは保存的に治療します。
 ずれのない骨折、ずれがあっても整復したあとには安定している骨折などは保存的に治療します。しかし、長期の固定が問題点であり、足関節の動きの硬さが後遺症となることがあります。このことから手術的に治療することが多く、手術により膝や足関節の動きの制限を来すことなく、安定した成績がえられるようになっています。
 手術法としては、骨折部分を太い釘で固定する髄内釘(ずいないてい)がよく行われます(図28)。また、最近では骨折部は切開せず、離れた部位から小切開を加えてプレートを挿入し、骨折部をネジで固定する低侵襲性の手術も普及しつつあります。