手指屈筋腱損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 手指の屈筋腱は、母指は1本ですが、他の指には、深指屈筋腱(しんしくっきんけん)と浅指屈筋腱(せんしくっきんけん)の2本があります。両方(母指では1本)が切れると、手指が伸展位(伸びた状態)となり、まったく曲げることができなくなります。
 深指屈筋腱のみが切れて、浅指屈筋腱が残っている場合は、DIP関節だけが伸びた状態となり、曲げることができなくなりますが、PIP関節を曲げることは可能です。

手指屈筋腱損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 屈筋腱損傷の治療は、手の外傷の治療のなかで最も難しいもののひとつで、手術(腱縫合術)が必要です。治療成績には、年齢、受傷様式、受傷から手術までの期間、手術操作、手術後の後療法(こうりょうほう)(リハビリテーション)などが影響します。
 治療が難しい理由は、次の2つの問題があるからです。ひとつは、再断裂の問題です。腱の断端同士が癒合する前に、強い力がかかれば、縫合した糸が切れて腱の断端は再び離れてしまいます。
 もうひとつは、癒着の問題です。周囲組織と腱がくっついてしまうと、腱は治っても、手指を曲げられない、あるいは屈曲が不十分という状態が生じます。このため、手術には正確でていねいな操作が求められますし、手術後の後療法が非常に重要です。