筋断裂(肉離れ)とはどんな外傷か

 スポーツなどで筋肉に急に強い収縮力がはたらいた時、自分の筋力に耐えきれなくなって筋組織が断裂することがあります。この病態を筋断裂といいますが、通称、肉離れと呼ばれています。
 大腿屈筋(だいたいくっきん)(太ももの裏側の筋肉)、大腿直筋(ちょくきん)(太ももの前側の筋肉)、大腿内転筋(ないてんきん)(太ももの内側の筋肉)など大腿部の筋と腓腹筋(ひふくきん)(ふくらはぎの筋)によく発生します。大腿部の肉離れは、20代前後の若年層に多く発生するのに対し、ふくらはぎの肉離れは、各年齢層にまんべんなく発生します。
 筋断裂の程度は、さまざまです。筋断裂の部位に内出血を伴います。

見落としやすい外傷と合併症

 腱付着部の剥離骨折(はくりこっせつ)を生じることがあります。

症状の現れ方

 典型的には、短距離走など瞬発的なランニングの時に、急に強い疼痛が生じ、走れなくなります。損傷部にはれが生じ、疼痛のため隣接関節の運動が障害されます。損傷の程度によって、歩行が可能な場合と困難な場合があります。

検査と診断

 受傷の原因と臨床症状で診断が可能です。筋断裂の中心部に圧痛(押すと痛むこと)が強く、重症の時は筋断裂部のへこみを指で触れることもあります。MRIや超音波検査による画像検査で損傷部の描出が可能です。

治療の方法

 保存療法が一般的です。急性期には1〜2日局所を冷却し、弾性包帯による圧迫・固定を行います。その後は徐々に関節自動運動を開始し、圧迫包帯を除去していきます。そして、しばらくの期間ストレッチングを行ったのち、軽いランニングから運動を開始します。
 リハビリテーションの進め具合は筋断裂の程度によりますが、とくにスポーツ復帰時期に関しては、主治医とよく相談するのがよいでしょう。

外傷を負ったら

 局所を冷やしたり、弾性包帯で固定したりすることで疼痛が緩和されます。早期に整形外科を受診することをすすめます。

予防

 運動を始める前に、ストレッチングを十分行うことが重要です。