膝靭帯損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 内側側副靭帯損傷では膝の内側の疼痛、可動域の制限、不安定性が認められます。前十字靭帯損傷の新鮮例では切れた瞬間「バシッ」という音を聞くことがあり、関節に血がたまり、激痛を感じます。陳旧例では前十字靭帯不全の症状として膝くずれや関節水腫(かんせつすいしゅ)のほか、二次的に半月板が切れると半月板損傷の症状が認められます。
 後十字靭帯損傷では受傷直後に脛骨粗面(けいこつそめん)(膝蓋骨の約3cm下の骨の出っぱり)の皮膚に打撲(だぼく)のあとや挫創(ざそう)が認められることや、屈曲位での後方不安定性が残ることもありますが、スポーツ活動に支障を来さない場合も少なくありません。

膝靭帯損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 内側側副靭帯損傷については、新鮮例で単独の損傷であれば、ギプスや内側側副靭帯用サポーターの装着でほとんどの場合治ります。しかし、新鮮例で十字靭帯損傷を合併している場合や陳旧例では、靭帯縫合術や靭帯再建術の手術が必要なこともあります。
 前十字靭帯損傷については、アスリートや重労働者など以外では、筋力トレーニングやサポーター装着などの保存療法で経過をみます。スポーツを積極的に行う人では、陳旧例はもちろん新鮮例でも靭帯再建術の手術を行います。
 後十字靭帯損傷はスポーツ活動に支障を来さない場合が多く、急性期に局所を固定したあと、サポーター装着、テーピング、大腿四頭筋の筋力トレーニングなどの保存療法を第一選択とします。しかし、不安定性が強いなど、症状によっては靭帯再建術を行います。
 また、脛骨(けいこつ)側の付着部での裂離骨折の場合は、急性期に骨接合術が選択されることがあります。