オスグッド・シュラッター病とはどんな障害か

 脛骨粗面(けいこつそめん)(膝蓋腱(しつがいけん)と脛骨の接点の骨の隆起)が突出して痛みと腫脹が現れる病気で、成長期のスポーツ少年(10〜15歳)に多く発症します。スポーツの種目としては、ジャンプ、キック、ダッシュの動作の多い、サッカー、バスケットボール、ハンドボール、陸上競技などによくみられます。


 発症のメカニズムは、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の牽引力が骨端線の閉じていない脛骨粗面に繰り返しかかること、骨の成長に筋肉や腱の成長が追いつかないため相対的に膝蓋腱を通して脛骨粗面にかかる力が大きくなることなどにより、骨端軟骨(こったんなんこつ)が損傷して脛骨粗面が隆起してくるものと考えられています(図40)。

合併損傷

 成長期終了後、脛骨粗面前方に遊離小骨片(ゆうりしょうこっぺん)が残り、疼痛やスポーツ障害を生じることがあり、遺残性オスグッド・シュラッター病と呼ばれる病態となることがあり、手術治療が必要となることがあります。

症状の現れ方

 脛骨粗面の隆起、突出が認められ、その部位を押さえると激痛を生じます。走る、飛ぶ、蹴る、しゃがんで立つなどの動作中や動作後に脛骨粗面の痛みがあります。通常は片側の発症が多いのですが、両側に生じることもまれではありません。

検査と診断

 スポーツで増悪する脛骨粗面の疼痛、圧痛、骨性の隆起があり、単純X線像側面で脛骨粗面の突出、不整、分離、小骨片などが認められること、MRIで脛骨粗面の浮腫や分離像が認められることで診断されます。

治療の方法

 原則として保存治療が行われます。活動の制限、消炎鎮痛薬の使用、シュラッターバンド装着、大腿四頭筋とハムストリングスのストレッチなどが組み合わされて行われています。再発を繰り返すことも多いのですが、たいていの場合には成長期の終了と同時に治るので心配は要りません。
 症状の程度とMRIの所見で、初期の場合にはストレッチと装具(シュラッターバンド)の併用でスポーツは禁止しません。進行期の場合にはジャンプやダッシュ、ボール蹴りの動作の制限を、進行の程度に応じて行います。
 遊離小骨片があり、疼痛が強くて階段昇降が困難な場合は、骨端線閉鎖前でも骨片摘出手術を行うほうがスポーツへの復帰は早いと考えます。

応急処置や予防法はどうするか

 局所のアイシングが大切です。予防のためには大腿四頭筋のストレッチ、シューズの底のクッション性をよくする、硬い床やアスファルト面の走行を減らすなどの工夫が必要です。ストレッチで症状が軽快しないときは、整形外科の受診がすすめられます。

関連項目

ジャンパー膝