滑膜肉腫<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 月単位で急に大きくなる痛みのない瘤(こぶ)として自覚されるのは、ほかの多くの肉腫と同様です。ただし、この病気は悪性腫瘍としては比較的ゆっくりと増大することや、数年間にわたって同じ大きさであることがあり、また痛みを伴うことがあるなど少し例外的な症例もあります。
 病気が進行してくると、肺、骨そしてリンパ節などに転移(病気が最初に発生した部位から、血液やリンパ液の流れにのってほかの臓器に移ること)を起こします。肺で病巣が大きくなると呼吸ができなくなり、生命的な問題を発生します。

滑膜肉腫<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 手術で病気を体内から取り除くことが必要です。再発を防ぐために周囲の正常な組織を少し腫瘍につけて、一緒に取り出す広範切除術が必要です。
 かつてこの病気が手足にできた場合は、切断術が唯一の手術法でした。しかし今日では、この広範切除術という手足を温存する方法で切断と同等の治療効果が得られることがわかっており、切断を行う症例はごく限られています。
 顕微鏡で病気を観察した時に細胞分裂の頻度が高い場合や、病巣が大きい場合は、たとえ画像で転移巣がはっきりしない場合でも、眼に見えない微小転移が起こっている可能性があります。このような場合や、画像で転移が確認されている場合は、抗がん薬の治療を併用することがよくあります。
 治療成績は、報告に差があるものの5年累積生存率でおよそ30〜70%といわれています。