大腿骨頭すべり症<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 股関節の近くの骨端線がずれて変形するため、痛みや関節の動きの異常、跛行(はこう)(歩行の障害)が現れます。
 慢性に経過すると痛みが著しくないことが多く、長い期間、正確な診断がつかない場合があることで有名な病気です。

大腿骨頭すべり症<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 治療の方法は急性と慢性で異なります。
 急性にずれが生じた大腿骨頭すべり症では、痛みが強いので比較的診断がつきやすく、診断がつきしだい入院になります。急性に生じたずれは、牽引(けんいん)療法や麻酔をかけたうえでやさしくゆっくりと整復(骨折、脱臼、骨端線損傷のずれをもどす)を行います。ずれをもどしたのちに、また再びずれを生じないように骨端線を貫くようにスクリューで固定して、骨成長が終了したあとにくぎ抜きを行います。
 一方、慢性の場合は長い経過でずれが生じており、痛みは激しくないので診断が難しいことは前述したとおりです。また、時間がたっていると骨端線のずれをもどす整復術は困難です。骨端線の変形が著しい場合には骨切り術を行い、変形により股関節の動きの異常が出ないように治療します。骨切り術後の金属を骨成長終了後に抜くことは急性と同様です。
 無理な整復を試み、骨端線の軟骨細胞を痛めると、長期的に股関節の変形や疼痛を生じることがあります。的確な診断と慎重な治療が必要です。