骨粗鬆症<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 通常、骨量の低下のみでは症状が出現することはありません。骨折に伴って疼痛や変形が出現します。
 原発性骨粗鬆症では、股関節の骨折(大腿骨頸部骨折)、手首の骨折(撓骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ))、脊椎(せきつい)圧迫骨折が多く発症します。一方、ステロイドによる二次性骨粗鬆症では脊椎椎体(ついたい)骨折が多く、関節リウマチによる二次性骨粗鬆症では、脊椎、四肢に限らずあらゆる部位に骨折がみられます。
 脊椎椎体圧迫骨折では、後弯(こうわん)の進行や潰れた椎体により脊髄が圧迫され、後になってから下肢の運動・知覚麻痺や排尿・排便障害が現れることがあるので注意が必要です。また、骨折した脊椎が癒合(ゆごう)しないため(偽関節(ぎかんせつ))、頑固な腰背部痛が残ることもあります。

骨粗鬆症<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 食事、運動や日光浴を含めた(1)日常生活指導、(2)薬物療法が主な治療法です。
 生活指導としては、乳製品を中心としたバランスのよい食事を摂取すること、日光曝露(ばくろ)と歩行能力維持のため屋外歩行をすすめます。日常の運動習慣は骨量維持に加え、歩行バランス感覚の維持にもつながります。
 薬物療法としては、ビスホスフォネート製剤、塩酸ラロキシフェン(SERM)、カルシトニン製剤、ビタミンK製剤、ビタミンD製剤などがあります。日本骨粗鬆症学会の骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン(2006年版)では、総合評価で強くすすめられている薬剤は、ビスホスフォネート系ではアレンドロン酸(商品名フォサマック、ボナロン)、リセドロン酸(ベネット、アクトネル)、およびSERM(エビスタ)です。
 その他、腸管からのカルシウム吸収の低下がある場合にはビタミンDも併用されます。また、脊椎圧迫骨折などによる腰背部痛がある場合には、カルシトニン製剤(エルシトニン)の注射も有効とされています。
 骨折を生じた場合、大腿骨頸部骨折では、原則として手術療法が選択されます。また、胸(きょう)・腰椎(ようつい)圧迫骨折による下肢麻痺などの脊髄症状が生じた場合や骨折が癒合せず、偽関節になり、激しい疼痛が残存し、日常生活に支障のある場合には手術療法も考慮されます。