腰椎椎間板ヘルニア<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 多くの場合、初期には腰痛が出現し、その後片側の足の痛みやしびれが加わってきます。重量物の挙上(きょじょう)などで急に腰痛が出現する場合と、徐々に起きる腰痛の場合があります。
 腰痛に続いて大腿から下腿や足部にかけて電気の走るような痛みやしびれが加わってくることが多く、ほとんどは片側性です。この痛みは、咳やくしゃみで増悪するのが特徴的です。
 筋力低下がゆっくり起きる場合は、腰や足の痛みが軽くなってから膝折れやスリッパが脱げるなどの症状で気づくこともあるので注意を要します。さらに、排尿・排便の感覚がわからなくなったりする場合は、緊急に対処する必要があります。

腰椎椎間板ヘルニア<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 通常、進行性の麻痺症状がある場合を除き、保存療法を行います。保存療法として、まずは急性期のベッド上安静からコルセットによる安静があります。薬物療法としては、消炎鎮痛薬や筋緊張弛緩薬などが疼痛軽減に有効です。さらに疼痛が激しい場合は、硬膜外ブロックや神経根ブロックなどのブロック療法があります。ほとんどの場合、3カ月以内の保存療法で軽快します。
 運動麻痺が進行する場合や排尿・排便障害が出現した場合、また保存療法で疼痛が軽快しない場合などは手術療法が選択されますが、手術に至るのは10〜30%程度です。
 後方からの椎間板切除術が一般的ですが、肉眼による手術のほかに顕微鏡や内視鏡を用いて手術による侵襲をできるだけ小さくする術式があります。基本的にはほとんどの場合で椎間板ヘルニアの切除のみで対応しますが、同一椎間板での複数回手術例や巨大ヘルニアなどの場合は、同時に脊椎固定術を追加することもあります。このほかに、局所麻酔下に小切開で行う方法として経皮的椎間板摘出術がありますが、手術に比べて有効率は低くなります。
 手術療法での問題点として5〜10%程度の再発があることがあげられ、手術を受ける際には理解しておく必要があります。