腰椎分離・すべり症<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 最も多い症状は腰痛です。青少年のスポーツ活動で腰痛が出現する場合は、分離症を疑ってみることが必要です。成人の場合、同じ姿勢を続けたり、長時間の立ち仕事や重労働のあとに痛みが強くなります。鈍く重い痛みで、体を後ろに反らせると痛みが強くなります。また、成人では神経根症状である脚の痛みやしびれが出現してくることもあります。
 前述したように変性すべり症では、脊柱管が狭窄し、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)の症状である間欠性跛行や会陰部のしびれ感などが出る場合があります。

腰椎分離・すべり症<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 青少年の腰椎分離症では、急性期であれば6カ月ほどのコルセット着用で分離部の骨癒合(こつゆごう)が期待できます。この時に用いるコルセットは、整形外科で腰部の型をとって作るもので、市販のコルセットでの効果は確認されていません。成人では、仕事中にコルセットを着用することによって、労働による腰痛の予防効果があります。
 薬物療法では、疼痛に対して消炎鎮痛薬や筋弛緩薬などを用います。腰部脊柱管狭窄症の症状に対しては、馬尾神経の血流を促進する末梢循環改善薬が用いられます。そのほかの保存療法には、ほかの脊椎疾患と同様に腰痛に対しての理学療法や、下肢痛、(神経根性疼痛)に対しての神経ブロック療法などがあります。
 これらの保存治療でも症状が改善しない場合は手術療法が選択肢に入ってきます。
 腰椎分離症・分離すべり症では、椎体と椎弓の連絡性が途絶えた不安定な状態が原因なので、通常、脊椎固定術と呼ばれる手術が行われます。固定術は不安定な椎骨同士を固定して動きをなくす方法で、最近ではチタン合金の固定器具が補助的に用いられるようになっています。特殊な例として椎間板変性のない青少年の分離症に対して、分離部をつなぐ分離部修復術と呼ばれる方法も行われつつあります。
 一方、変性すべり症に対しては、神経徐圧術のみを行う場合と固定術を追加する場合とがあります。
 最近では、手術療法の技術進歩により、手術後のベッド上安静期間も以前より、格段に短くなってきています。