眼瞼けいれんとはどんな病気か

 眼瞼けいれんは、眼瞼を閉じる筋肉(眼輪筋(がんりんきん))が過剰に緊張して開きにくい状態です。まぶただけの異常の場合と、唇にも異常を伴う場合があります。
 この病気とは別に、まぶたの一部が時々ぴくぴくと瞬間的にけいれんする状態(線維束収縮(せんいそくしゅうしゅく))がありますが、この場合、開瞼は正常にできます。

原因は何か

 眼輪筋を含めて顔の筋肉は脳から出る顔面神経によって制御されていますが、両側性の眼瞼けいれんの原因は、顔面神経に指令を与える脳の深部(大脳基底核(だいのうきていかく))の異常とされます。
 一方、片側性のものは脳を離れたあとの顔面神経が、筋肉へ至る走行経路の途中で血管や腫瘍(しゅよう)などに圧迫されて発症します。
 また逆に、神経には異常がなく、眼球に異常があってまぶたが開きにくいこともあります。線維束収縮は、ごく一部分の神経の表面の被膜が障害されて起こります。

症状の現れ方

 両眼のまぶたが過度に緊張して開きにくくなるタイプは、中年の女性に多くみられます。しばしば瞬目過剰(しゅんもくかじょう)(まばたきが異常に多い)、羞明(しゅうめい)(光を異常にまぶしがる)などを伴います。けいれんは明るい所でひどくなり、暗い所で軽減します。また、活動や緊張によってひどくなり、休息により軽減します。重症では、まったく眼があけられなくなります。
 片眼性のものは、やはり中高年に多いのですが、男女ともにみられ、同側の唇のけいれんを伴い、流涙(りゅうるい)を自覚します。
 眼球の異常では眼痛、異物感、かゆみ、羞明、流涙などがあります。
 線維束収縮は、突然まぶたの一部がぴくぴくと瞬間的にけいれんし、違和感はあるものの、痛みなどはありません。開瞼も正常です。一度起こると、時々何度か繰り返します。疲労時によく起こります。たいていは1〜2週間ほどでおさまります。

検査と診断

 診察時にけいれんが生じていれば診断は容易です。診察時にけいれんが生じていなければ、誘発を試みます。たとえば、強くまぶたを閉じたり、唇を横に伸ばしたりを何度もやってみます。また、強い光を目に当てたりします。
 眼球の異常は、通常の眼科診察で診断可能です。
 線維束収縮は、その症状から判断します。ただ、まぶた以外にも全身的に同様のけいれんが多発するようなら、全身の神経の病気(多発性硬化症(たはつせいこうかしょう)など)であることがあり、注意が必要です。

治療の方法

 肉体的、精神的安静をとるようにします。羞明があればサングラスをかけます。この病気に特異的な治療として、眼輪筋へのボツリヌス菌毒素の注射があります。ほかに、人工涙液の点眼や内服薬(抗コリン製剤、抗うつ薬など)を投与します。また、難治症例では眼輪筋の切除術が行われます。
 眼球の異常では、その原因疾患の治療が必要です。線維束収縮は、普通1〜2週間で自然に治ります。

眼瞼けいれんに気づいたらどうする

 まぶたのけいれんの場合、安静を心がけ、専門医を受診してください。線維束収縮は様子をみて、1〜2週間で治らなければ専門医を受診してください。