虚血性視神経症<眼の病気>の症状の現れ方

 中高齢者に、突然、急激な視力障害が起こります。視力障害の程度はさまざまですが、一般に動脈炎型のほうが重く、発症と同時に視力を失うこともあります。視力はよくても視野の上半分(または下半分)が見えなくなる水平半盲(すいへいはんもう)で発症することもあります。
 眼球や眼の奥に痛みを伴うことはありませんが、動脈炎型の場合は、血管炎に伴って側頭動脈周囲(こめかみ)の痛み、咀嚼痛(そしゃくつう)(あごや歯の痛み)、頭皮の痛みが特徴的とされ、また体重減少、発熱、全身倦怠感(けんたいかん)などの全身症状を伴うことが多いとされています。
 動脈炎型や、非動脈炎型で内頸動脈の狭窄を伴う場合は、発症前に「急に片眼が見えなくなって、数秒〜数分で元の見え方にもどる」という症状(一過性黒内障(いっかせいこくないしょう)発作)を繰り返すことがあります。

虚血性視神経症<眼の病気>の診断と治療の方法

 動脈炎型は、短時間のうちに反対の眼にも発症して、両眼失明に至る危険が高いため、他眼の発症予防と全身状態の改善を目的として、緊急に副腎皮質ステロイド薬による点滴治療を開始します。その後も赤沈の正常化を目安に、副腎皮質ステロイド薬の内服を継続する必要がありますが、発症眼の予後は残念ながら不良です。
 非動脈炎型の場合、米国での調査では発症6カ月後に42・7%が3段階以上の視力改善、12・4%が3段階以上の視力悪化、44・9%が不変という自然経過を示しました。一方で、3年後には25%が、10年後には50%以上が両眼性に移行するという報告もあります。
 一般には、ビタミンB12製剤の内服による神経保護治療を行います。また急性期には、浮腫の軽減を目的に副腎皮質ステロイド薬による治療を行うことがあります。さらに、糖尿病など基礎疾患がある場合や、眼底検査で他眼の視神経乳頭が小さいことが判明し、他眼にも発症のリスクが高いと考えられる場合は、他眼の発症を予防する目的でアスピリンの内服をすることもあります。