せんてんせいじろうこう先天性耳瘻孔の症状や原因・診断と治療方法

先天性耳瘻孔とはどんな病気か

 遺伝が関係するもので、多くの場合耳介の前方に小さな孔(あな)(瘻孔)として認められ、その大きさは縫い針の穴程度のものです(図5)。時々その孔が耳介軟骨(じかいなんこつ)の上にできる場合もあります。
 耳介は胎児期にいくつかの軟骨性の塊が寄り集まってひとつの軟骨に形成されるものと考えられています。これらの塊がひとつの軟骨に癒合(ゆごう)する時にうまくできず、小さなすきまができてしまうのがこの病気だと推測されています。
 この小さな孔の下には袋状のものが隠れています。そこににおいのある白い泥状の分泌物がたまるとふくらみ、孔から自然に、または孔の周囲を圧迫すると分泌物が出てくることがあります。この分泌物が感染の原因となって炎症を起こす可能性があります。感染すると、袋ごと発赤してはれあがり、孔の周囲に痛みを訴えます。袋からさらに周囲の皮下組織に炎症が及ぶと発赤とはれが拡大し、うみがたまり、激痛が起きます。

治療の方法

 孔を見つけても何も症状がなければ放置してもかまいません。感染しないように孔の周囲を清潔にするように心がけてください。感染を起こした場合、初期ならなるべく外科的治療をせず、抗生剤や消炎薬などで治療します。しかし、炎症がひどくなり膿瘍(のうよう)になると内服薬では効かず、救急処置として、切開してうみを出す必要があります。いったん炎症がおさまったら、再度、袋ごと孔を摘出する手術を行います(図6)。
 袋はさまざまな形をしており、耳介軟骨に癒着することもあれば、軟骨を貫(つらぬ)いてさらに奥に入っている場合もあります。まれに袋が外耳道にまで達することもあります。緊急処置として過去に排膿のために切開を加えていると、瘢痕(はんこん)組織などで摘出術中に袋の形がわかりにくくなることがあります。
 袋を広範囲に摘出すればとくに問題はないのですが、袋が複雑な走行をした症例では摘出術中に袋の一部分が取り切れず、残ってしまうと再発することもあります。

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