先天性耳瘻孔<耳の病気>の診断と治療の方法

 孔を見つけても何も症状がなければ放置してもかまいません。感染しないように孔の周囲を清潔にするように心がけてください。感染を起こした場合、初期ならなるべく外科的治療をせず、抗生剤や消炎薬などで治療します。しかし、炎症がひどくなり膿瘍(のうよう)になると内服薬では効かず、救急処置として、切開してうみを出す必要があります。いったん炎症がおさまったら、再度、袋ごと孔を摘出する手術を行います(図6)。
 袋はさまざまな形をしており、耳介軟骨に癒着することもあれば、軟骨を貫(つらぬ)いてさらに奥に入っている場合もあります。まれに袋が外耳道にまで達することもあります。緊急処置として過去に排膿のために切開を加えていると、瘢痕(はんこん)組織などで摘出術中に袋の形がわかりにくくなることがあります。
 袋を広範囲に摘出すればとくに問題はないのですが、袋が複雑な走行をした症例では摘出術中に袋の一部分が取り切れず、残ってしまうと再発することもあります。