外耳道炎<耳の病気>の診断と治療の方法

 一般的な治療としては、外耳の消毒、抗生剤や副腎皮質ステロイド薬を含んだ軟膏の塗布、抗生剤の内服でほとんどの症例が容易に治ります。しかし次のように難治性の場合もあり、注意が必要です。

(1)外耳道湿疹(がいじどうしっしん)の合併
 アレルギー体質などの全身症状が関係するといわれますが、外部からの化学的刺激(シャンプー、化粧品など)による局所的な所見としてみられることもあります。急性湿疹では水疱(すいほう)、落屑(らくせつ)(表皮から角質片がはがれ落ちる)、耳だれなどをみることがあります。かゆみが強くがんこであるため、知らないうちに患部に触れてしまい二次感染を起こす場合があります。
 治療法としては、ステロイド軟膏の塗布、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の内服が有効です。治療時の消毒薬、抗生剤で逆に湿疹が悪化することがあるので要注意です。

(2)真菌の合併図10
 外耳道に真菌、つまり水虫と同じようなカビ類の菌がつくもので、一般的には外部からの接触で感染します。中耳手術後や糖尿病の患者さんにもしばしばみられます。
 強いかゆみに襲われ、かいてしまうことにより二次感染を起こします。一般の人が自分で治すのは困難で、頻回の通院を必要とします。専門医に診てもらえば、特有な肉眼所見や顕微鏡検査で容易に診断がつきます。
 治療法としては、まず外耳道内を清潔にするために洗浄したり、抗真菌薬を塗布します。重症の場合は抗真菌薬を内服します。外耳道炎との合併で、外耳道炎の症状が強く出ている場合、抗真菌薬、抗生剤、副腎皮質ステロイド薬の混合軟膏を使うと効果がみられることもあります。いったん外耳道炎の症状が改善したら、ただちに抗生剤や副腎皮質ステロイド薬の使用を中止します。これらの薬物は真菌を増殖させるので要注意です。

(3)悪性外耳道炎(あくせいがいじどうえん)
 まれな疾患ですが、いったんかかると治りにくく、進行していくタイプの外耳道炎です。緑膿菌(りょくのうきん)感染によるもので、外耳道の皮膚だけでなく周囲の軟骨や骨を破壊し、場合によっては頭蓋内にまで進行することもあります。
 全身状態の悪い患者さん(糖尿病白血病、がんの末期など)に多くみられることから、局所的な治療とともに全身疾患のコントロールも大切です。