ベル麻痺<耳の病気>の症状の現れ方

 ある日突然に顔の片側が動かなくなり、顔が曲がります。額のしわが寄せられなくなり、眼が閉じにくくなります。また口から食べ物がもれ、頬をふくらませることができなくなります。麻痺は現れてから1週間以内に悪化することもあります。また、耳の後ろやなかの痛みを伴うこともよくあります。
 顔面神経は涙の分泌、味覚、大きな音に対する反射にも関係しています。麻痺と同じ側の涙の分泌低下、味覚の低下や物音が響く聴覚過敏になることもあります。

ベル麻痺<耳の病気>の診断と治療の方法

 薬物療法が中心になります。神経の浮腫による側頭骨内での圧迫を除くことを目的として、副腎皮質ステロイド薬を投与することがすすめられています(米国神経学会の治療ガイドライン)。単純ヘルペスウイルス1型が発症に関与していることが疑われており、抗ウイルス薬を投与することも試みられていますが、ヨーロッパで行われた大規模臨床試験の結果では効果が認められませんでした。涙の分泌低下と閉眼不全に対しては点眼薬を用います。
 ベル麻痺は治りやすい病気で、麻痺が軽度であれば1〜2カ月で完全に治ります。麻痺が高度な(まったく動かない)場合、治癒率は80〜90%程度であり、6〜12カ月経過して麻痺が残ったり、まぶたと口がいっしょに動く病的共同運動、けいれんやひきつれなどの後遺症を残す症例も少なからずみられます。