原因は何か

 鼻出血の原因には、鼻粘膜の血管に原因がある場合、鼻のなかに腫瘍がある場合、首から上の血圧に原因がある場合、血液に原因がある場合があります。鼻の血管には、首の外頸(がいけい)動脈からの枝と脳の内頸(ないけい)動脈からの枝があり、最大の血管は外頸動脈由来の顎(がく)動脈の分枝である蝶口蓋(ちょうこうがい)動脈で、そのほかにも多くの血管が集まっています。
 最も血管が集まっているのは鼻中隔(びちゅうかく)の前方のキーゼルバッハ部位で、ここが鼻出血の最も起きやすい部位です。ここからの鼻出血はアレルギー性鼻炎のかゆみで鼻を強くこすったり、指を鼻に入れる習慣でも起こります。小児のこの部位からの鼻出血は、白血病(はっけつびょう)やオスラー病などの疾患が否定されれば、病気として扱いません。

治療の方法

 小鼻を強く押さえれば、数分で止血できます。頻繁な出血で生活に支障があれば、電気凝固、レーザー蒸散、粘膜乱切(らんせつ)、粘膜除去などを行います。
 月経の時に起こる鼻出血は代償出血といわれ、病的とはいえません。片側だけからのあまり多くない出血が続けば、血管腫(けっかんしゅ)や成人の上顎腫瘍(じょうがくしゅよう)などの鼻や上咽頭の腫瘍が疑われます。
 成人の鼻出血で最も多い原因は、血圧の上昇です。鼻の上方からの出血は脳血管の枝からの出血のこともあり、脳の血圧を下げて、脳出血を予防する役目もあります。鼻出血を止めるよりも、血圧のコントロールが重要です。
 また、ワーファリンやバファリンなどの心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)の治療・予防のための薬(抗凝固薬(こうぎょうこやく))は血が止まりにくくなるため、鼻出血の原因になります。逆に鼻出血治療のために止血薬を使うのは、梗塞疾患の原因になる可能性もあります。
 成人にみられる上方や後方からの鼻出血は、血圧のコントロールやタンポン留置などでは止血できず、内視鏡手術での血管の結紮(けっさつ)(しばる)やクリッピングが必要になる場合もあります。このような手術は近年急速に進歩しています。
 全身疾患に伴う鼻出血には高血圧や薬物以外にも、白血病や遺伝的に血管がもろくなるオスラー病があります。