鼻中隔弯曲症とはどんな病気か

 鼻中隔は左右の鼻腔を分ける壁で、軟骨と骨で形成されていて、これらの両面は鼻の粘膜でおおわれています。
 この鼻中隔がゆがんで左右のどちらかに突出すると、凸側は鼻腔が狭くなり、凹側は広くなります。そのため、鼻のなかでの空気の流れが影響を受け、鼻づまりが生じます。これが鼻中隔弯曲症です。

原因は何か

 鼻中隔は、小児期にはほぼまっすぐです。思春期になると鼻中隔を形成する軟骨が急激に大きくなり、鼻を高くするように発達します。しかし、頭蓋骨や顔面骨はそれほど発達しないため、軟骨がゆがんだり、骨と軟骨の接合部に変形を来します。その結果、鼻中隔は左右のどちらかに突出したような形態をとることになります。その程度は個人によってさまざまですが、女性よりも男性に多いとされています。

症状の現れ方

 最も代表的な症状は鼻づまり(鼻閉(びへい))です。一般に、鼻づまりは鼻腔が狭い側(凸側)に強いのですが、広い側(凹側)でも生じることがあります。これは、凹側の鼻甲介(びこうかい)(鼻腔にある粘膜におおわれた骨の突起)の粘膜が肥厚し、空気の通りが悪くなるためです。
 また、鼻中隔弯曲症はいびきの原因にもなります。鼻づまりが高度の場合は睡眠呼吸障害を起こすこともあります。さらに、鼻内の気流の乱れのため、粘膜に炎症を起こせば副鼻腔炎(ふくびくうえん)や滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)も引き起こすことがあります。鼻出血も、凸側の鼻粘膜が吸気で常に刺激を受けるため起こりやすくなります。

検査と診断



 前鼻鏡で左右の鼻腔のなかを観察し、前方の鼻中隔の弯曲の程度を調べます。後方の弯曲は内視鏡を使って観察します。このように視診で診断は可能ですが、さらにその弯曲の程度と部位と、合併する副鼻腔炎の有無をチェックするためには、副鼻腔CT検査が非常に有用です(図2)。

治療の方法

 鼻中隔弯曲症のため、鼻づまりが高度の場合、いびきや睡眠呼吸障害の原因となる場合、さらに副鼻腔炎滲出性中耳炎の原因となる場合、あるいはアレルギー性鼻炎を伴ってさらに高度の鼻づまりを引き起こしている場合は、鼻中隔矯正術を行います。これは、曲がっている鼻中隔の軟骨と骨を除去する手術です。その結果、左右の鼻腔の隔壁の一部は粘膜のみとなります。

鼻中隔弯曲症に気づいたらどうする

 鼻中隔の弯曲があるかどうかは、耳鼻咽喉科医が診なければわかりません。鼻づまりを引き起こす病気は非常にたくさんあります。長く鼻づまりが続く場合は、耳鼻咽喉科を受診することが必要です。