舌がん<口・あごの病気>の症状の現れ方

 病変の表面には膨隆(ぼうりゅう)(こぶ状のふくらみ)、びらん、潰瘍を認めることが多いのですが、白板、肉芽(にくげ)、乳頭状を示すものもあります。
 乳頭型、肉芽型および白板型のがんは外向性に発育し、粘膜表層を広範囲に進展しますが、深部への浸潤(しんじゅん)は比較的少ない傾向があります。
 潰瘍型や膨隆型は内向性に発育し、深部組織に深く浸潤して嚥下障害構音障害を来します。
 顎下(がっか)リンパ節や上内頸静脈(じょうないけいじょうみゃく)リンパ節などの頸部リンパ節への転移頻度は30〜40%と口腔がんのなかでは高く、舌がんの治療後にもリンパ節転移(後発転移)が出現することがあります。通常、口腔がんでは病変と同じ側の頸部リンパ節に転移することが多いのですが、舌がんでは両側に転移することもあります。

舌がん<口・あごの病気>の診断と治療の方法

 治療の主体は、手術か放射線治療になります。両者はほぼ同等の治療成績をあげています。初期がん(T1、T2症例)にはIr192、Au199による組織内照射を主体とした放射線治療を行います。また、術後に機能障害を残さないで完治が期待できる早期がんには手術が選択されます(舌部分切除)。
 初期がんでも頸部リンパ節に転移を認める場合には、頸部郭清術(かくせいじゅつ)(リンパ節を清掃する手術)とともに舌病変部を周囲の健康な組織も含めて切除します(舌部分切除、舌半側切除)。
 進行がん(T3、T4症例)や放射線治療の効果がない症例には、頸部郭清術とともに舌の広範切除を行います(舌亜全摘出、舌全摘出)。両側性リンパ節転移が疑われる場合には、両側の頸部郭清術を行います。
 リンパ節転移のない症例での5年生存率は85%と良い成績が得られていますが、リンパ節転移のある症例では不良です。舌がん全体での5年生存率は約60%です。