外歯瘻とはどんな病気か

 歯科疾患に起因する歯瘻には、外歯瘻と内歯瘻(ないしろう)があります。口腔内の歯性化膿性病巣と口腔粘膜の間に形成された交通路が内歯瘻で、顔面皮膚との間に形成された交通路が外歯瘻です。
 原病巣から皮膚表面までの管状組織を瘻管(ろうかん)といい、皮膚表面の開口部を瘻孔(ろうこう)といいます。瘻孔からは膿汁、滲出液(しんしゅつえき)、血液などが持続的に排出されます。

原因と症状の現れ方

 外歯瘻の原因になる疾患は、根端病巣(こんたんびょうそう)(歯根嚢胞(しこんのうほう)の感染など)、顎嚢胞(がくのうほう)の感染、慢性智歯周囲炎(ちししゅういえん)、埋伏歯(まいふくし)の感染、抜歯後感染、腐骨(ふこつ)などです。
 外歯瘻の病理的所見は、原病巣部から皮膚に向かって壊死(えし)層が連続的に形成されて管状の組織欠損をつくるか、組織のすきまを抵抗の弱い方向へ破壊して進み、管状の組織欠損をつくるかです。管状の組織欠損の周囲は瘢痕(はんこん)組織が形成されています。
 外歯瘻が形成されやすい部位は頬部(きょうぶ)で、下顎の臼歯部(きゅうしぶ)(奥歯)に原因がある場合に起こります。上顎前歯部が原因の場合は、鼻翼部(びよくぶ)や眼窩下部(がんかかぶ)の皮膚に形成されます。
 ほとんどの患者さんでは、慢性に経過するため原疾患の自覚症状はありません。

検査と診断

 外歯瘻は原疾患から離れた部位に形成されるため、診断が困難です。瘻孔からゾンデ(診断に使う細長く軟らかい金属線)を挿入して口腔内の原疾患を探し、瘻孔にゾンデを挿入した状態で、X線撮影を行って原疾患と瘻孔の関係を確認します。

治療の方法

 外歯瘻は、原疾患の治療だけでは消滅しません。抜歯や嚢胞摘出など原疾患の治療に加えて、同時にまたは後日、瘻管と瘻孔を含めた瘢痕組織の切除手術を行います。
 しばしば口腔内病変部との関係がわからず、顔面皮膚部の単独の膿瘍(のうよう)が自壊したものと考えられることがあります。その際には、皮下膿瘍の診断で消炎手術が繰り返されます。また、抗菌薬の投与により急性症状は抑えられますが、再発を繰り返します。