先天欠如歯とはどんな病気か



 歯を形作る原基(歯胚(しはい))の形成が損なわれ、先天的に歯が欠如していることをいいます。先天欠如歯は、1歯から数歯の比較的少数歯に限られるものから、多数歯に及ぶものまでさまざまです(図24)。ごくまれに、全部の歯が先天欠如する場合もあります。

原因は何か

 1歯から数歯の比較的少数歯に限られるものは、人間の進化の過程で本来の歯の数が徐々に失われた結果という説などがあります。しかし最近では、多数に及ぶ場合、遺伝的要素により引き起こされるともいわれています。

症状の現れ方

 乳歯の先天欠如は、非常にまれです。永久歯では、親知らず(智歯(ちし)・第三大臼歯(きゅうし))が欠如することはよく知られていますが、次いで、側切歯(そくせつし)、小臼歯などが比較的多く欠如するといわれています。
 永久歯の先天欠如がある場合は、乳歯の根の吸収がうまくいかず、いつまでも抜けずに残る場合があります。仮に乳歯が脱落して、そのすきまが空いたまま放置しておくと、隣接した歯が傾いたり、噛み合う相手の歯が伸び出して噛み合わせが悪くなったり、先天欠如歯の部分の骨(歯槽骨(しそうこつ))が萎縮してしまいます。また、発音が悪くなったり、歯磨きがしにくかったりすることもあります。

治療の方法

 乳歯が脱落せずに抜けずに残る場合は経過観察することありますが、欠如したすきまがある場合は、人工の歯(ブリッジ、入れ歯、インプラント)を入れてすきまを埋める治療を行う場合が比較的多いようです。しかし、矯正治療によって隣り合う歯を動かしてすきまを閉じることが可能な場合もあります。