咬合性外傷とはどんな病気か



 咬合性外傷は、歯肉を除いた歯周組織(ししゅうそしき)(セメント質、歯槽骨(しそうこつ)、歯根膜(しこんまく)、図30)に起こる外傷性病変です。
 歯周組織が健全な歯に、歯ぎしりなどによる強い力が加わって起こる外傷(一次性咬合性外傷)と、歯周炎(ししゅうえん)にかかって歯の支えが弱くなった歯に正常な噛む力が加わって起こる外傷(二次性咬合性外傷)とがあります。
 咬合性外傷の原因は、異常な力あるいは生理的な力です。また、経過により急性と慢性に分けることもできます。

症状の現れ方

 主な症状は、噛んだ時の痛み、歯の揺れ、浮いた感じなどです。むし歯の治療時に詰め物をしたり、冠をかぶせた時にも、このような痛みや違和感が一時的に現れることがあります。
 歯周組織が健全な場合は、噛み合わせを再度チェックしてもらい、必要に応じて高さを調整してもらうと治ることが多いです。しかし、歯周炎にかかっている歯にこのような症状が現れると、歯の支えが弱くなっているので、ただ単に噛み合わせを調整しただけでは治ることは少なく、必要に応じて隣の歯と連結して補強しなければならないこともあります。
 歯周組織が健全な場合は、異常な力が加わっても炎症が起きたり、ポケットが深くなることはありません。しかし、付着レベルが壊れ、歯槽骨が吸収されて歯周炎にかかっている歯に、異常な力(時には正常な力)が加わると、歯周組織の破壊が速まることがわかっています。

治療の方法

 成人の多くは、歯周炎と咬合性外傷が合併しています。したがって、歯みがきでプラークをコントロールして炎症を除き、噛み合わせをコントロールして特定の歯に異常な力が加わらないようにすることが治療の基本になります。歯科医は噛み合わせを精密検査し、特定の歯のみがあたらないように歯を少し削って調整し、バランスをとります。


 歯並びが悪かったり、噛み合わせの異常が大きい時は、歯科矯正治療が必要になることもあります。歯肉の炎症が治ったあとも、歯の揺れが治らない場合は、冠などで連結固定することもあります(図36図37)。